こんにちは!個別指導WAMです(^^)/
いきなりですが、高校1年生の数と式の範囲で習う『対称式』について、しっかり理解できていますか?
また、計算するうえで必須となる対称式の変形公式も覚えていますか?
「対称式がイマイチよくわかっていない人」「公式を覚えられていない人」は、今回のコラムで対称式の基礎と変形公式をおさらいし、いくつかの例題で知識の定着を図りましょう!
対称式とは
対称式とは、『変数を入れ替えても全く同じ式になる多項式』のことを指します。
例えば、「x + y」の x と y を入れ替えると「y + x」となりますが、これは元の式と同じとなるため、対称式と言えます。
他にも対称式には下記のようなものがあります。
《2変数》
xy → yx
x + y → y + x
x² + y² → y² + x²
x² + xy + y² → y² + yx + x²
x³ + y³ → y³ + x³
x³ – x³y – xy³ + y³ → y³ – y³x – yx³ + x³ など
《3変数》
xyz → zyx
x + y + z → z + y + x
xy + yz + zx → xz + zy + yx
x² + y² + z² → z² + y² + x²
x³ + y³ + z³ – 3xyz → -3xyz + z³ + y³ + x³ など
基本対称式とは
基本対称式は特別な対称式で、すべての対称式は基本対称式のみで表すことができます。
基本対称式は下記のとおりです。
《2変数》
xy
x + y
《3変数》
xyz
x + y + z
xy + yz + zx
例えば、x² + y²の場合
( x + y )² = x² + 2xy + y² ※2xyを移行する
x² + y² = ( x + y )² – 2xy
以上のように基本対称式である「x + y」「xy」のみで表現することができます。
対称式の変形公式
対称式を基本対称式のみで表現するために、頻出の変形公式を4つ覚えておきましょう。
◎ x² + y² = ( x + y )² – 2xy
◎ x² + y² + z² = ( x + y + z )² – 2( xy + yz + zx )
◎ x³ + y³ = ( x + y )³ – 3xy( x + y )
◎ x³ + y³ + z³ = ( x + y + z )(x² + y² + z² – xy -yz – zx ) + 3xyz
例題を解いてみよう
例題①
x+y=6,xy=8のとき,x² + y² の値を求めよ。
【解答】
変形公式に当てはめて計算しましょう。
x² + y²
= ( x + y )² – 2xy
= ( 6 )² – 2 × 8
= 36 – 16
= 20
例題②
x = 2 −√2, y = 2 +√2 のとき,次の式の値を求めよ。
① x² + y² ② x³ + y³
【解答】
まずは基本対称式の『x + y』『xy』を求めましょう。
x + y
= 2 – √2 + 2 + √2
= 4
xy
= (2 – √2 )( 2 + √2)
= 4 – 2
= 2
続いて、変形公式に当てはめて計算しましょう。
①
x² + y²
= ( x + y )² – 2xy
= ( 4 )² – 2 × 2
= 16 – 4
= 12
②
x³ + y³
= ( x + y )³ – 3xy( x + y )
= ( 4 )³ – 3 × 2 × ( 4 )
= 64 – 24
= 40
例題③
x² + 3y = y² + 3x = 10 のとき,次の式の値を求めよ。ただし x ≠ y とする。
① xy ② x + y ③ x² + y²
【解答】
まずは『x² + 3y = y² + 3x = 10』を二つの式に分けて計算していきましょう。
x² + 3y = 10 ・・・ a
y² + 3x = 10 ・・・ b とする
a – bより
x² – y² + 3( y – x ) = 0
( x + y )( x – y ) – 3( x – y ) = 0
x ≠ yより両辺をx – yで割る
( x + y ) – 3 = 0
x + y = 3 ・・・ ②
a + bより
x² + y² + 3( x + y ) = 20
( x + y )² – 2xy + 3( x + y ) = 20上記の計算よりx + y = 3を代入する
( 3 )² – 2xy + 3 × 3 = 20
9 – 2xy + 9 = 20
-2xy = 20 -18
-2xy = 2
xy = -1 ・・・ ①
基本対称式が分かったので、変形公式に当てはめて計算しましょう。
x² + y²
= ( x + y )² – 2xy
= ( 3 )² – 2 × ( -1 )
=9 – (-2 )
=11 ・・・ ③
まとめ
いかがでしたか?
計算問題を解くときは、まず、基本対称式を算出することがポイントとなります。つぎに、変形公式を覚えましょう。公式に当てはめることで解答を導き出すことができます。
対称式は3変数以上の方程式や分数などもありますが、式の複雑さに焦ることなく落ち着いて、どの部分から基本対称式を導き出せるかを冷静に考えましょう。
「自学自習ではどうしても理解できない」「もっと深く学習したい」という方は、ぜひ一度個別指導WAMへご相談ください。基礎の定着と成績アップのお手伝いをさせていただきます!