こんにちは。個別指導WAMです。
「うまく数が数えられない」
「足し引きなどの簡単な計算に時間がかかる」
そんなことはありませんか?
もしかしたらそれは単に算数が苦手、なのではなく「算数障害」が原因かもしれません。
今回は算数障害がどういったものなのか、症状や原因、向き合い方などをご紹介します。
Contents
学習障害とは?
学習障害(LD)とは、知的発達に遅れはないけれど、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」などの能力のうち、特定のものについて習得と使用に困難が生じる発達障害の一種です。
大きく分けて3つのタイプをご紹介します。
算数障害(ディスカリキュリア)
算数障害(ディスカリキュリア)は数字や数式の扱い、推論が苦手な学習障害のことを指します。
知的発達に問題はなく、数字に関する能力にだけ障害のある人が多いため、ほとんどが就学し算数の学習が始まってから発見されます。
算数障害の人は、基本的な数字(1,2,3)の概念や計算記号(+、-、×、÷)、規則性などの認識が困難です。
また、視覚認知の機能が弱いため、数字を揃えて書くなどの文字間の距離やバランスを取ることが苦手です。
読字障害(ディスレクシア)
読字障害(ディスレクシア)は読む能力に困難がある学習障害のことで、学習障害と診断された人の中で最も多くみられる症状です。
読字障害の人は、読むことが困難であるがゆえに書くことにも困難が生じ「読み書き障害」と呼ばれることもあります。
文字の見え方は個人差があり「文字が逆さまに見える」「文字がぼやける」「文字が図形に見える」などさまざまです。
また、音韻処理も困難であるため「音を聞き分ける」「音と文字を結びつける」「まとまった単語を理解する」「聞いたことを記憶する」といったことが難しい場合もあります。
書字表出障害(ディスグラフィア)
書字表出障害(ディスグラフィア)は文字は読めるが書けなかったり、正確に文字を書き写せないなど、書く能力に困難がある学習障害のことを指します。
書字表出障害の人は、文字が全く書けないわけではありません。
正しく書いているつもりでも鏡文字になってしまったり、ひらがなやカタカナを書き間違えたり、文字を書くスピードが遅くなったりしてしまいます。
算数障害の特徴とは?
学習障害の一種である算数障害ですが、どのような特徴があるのか見ていきましょう。
◇数の大きい・小さいが分からない
◇九九が覚えられない
◇簡単な足し算・引き算の暗算が苦手
◇指を折って数を数える
◇繰り上がり・繰り下がりの計算ができない
◇図形やグラフ、文章問題が苦手
◇時計が読めない など
年齢別にみる算数障害の症状
《1歳~小学校就学まで》
学習障害の子の多くが持っている特徴が少しずつ見えてきます。
◇服のボタンを留められないなど、手先が不器用
◇文字や言葉を覚えるのが遅い など
《6歳~12歳(小学生)》
小学生になると本格的に学習が始まるため、算数障害の特徴が現れやすくなります。
◇時計が読めない
◇数が数えられない
◇計算ができず、やるのを嫌がる
◇ひっ算の数字がズレて計算を間違える など
《13歳~18歳(中学生・高校生)》
中学生・高校生になるとはっきりと学習能力の差が出てきます。
◇図形に関する問題が理解できない
◇計算問題はできるが、文章問題になると解けない など
《18歳~(成人)》
最近では、社会に出てから仕事に支障をきたして、学習障害だと診断される人も少なくありません。
成人の算数障害の特徴には以下のようなものがあります。
◇お釣りの計算など、金銭管理ができない
◇単純な数字入力は出来るが、計算は苦手 など
算数障害になる原因とは?
算数障害を含む学習障害の原因は、現在も解明されていません。
視覚や聴覚、触覚などの五感を通して得た情報を処理する脳の機能に先天性の障害があるのではないかと考えられています。
学習障害は就学し、計算や読み書きに触れる機会が多くなる頃に発見されやすい障害です。
生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられているため、本人の努力不足や家庭環境、しつけ、育て方が原因ではありません。
算数障害との向き合い方
算数障害の症状は個人差があります。
また、学習障害自体があまり知られていないため、計算ができないのは「自分がただ単に数字が苦手で努力不足なんだ」と悩む人もいます。
数字に対する理解や計算が極端にできない場合は、早めに、専門機関や医療機関へ相談しましょう。
専門機関や医療機関で算数障害と診断されたら、専門家から話を聞いて、その障害について正しく理解することが大切です。
そして、算数障害であることを認識し、算数が苦手なのは障害のせいだという事実を受け止めましょう。
また、できないことを他の人と比較するのではなく、できることにフォーカスを当てることも大切です。
意地を張って苦手な計算をマスターしようとするのではなく、得意なことを見つけ、それを伸ばして苦手をカバーすることが、算数障害と向き合う上で重要なポイントとなります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は算数障害についてご紹介しましたが、算数障害以外にも学習障害はいくつか種類があります。
社会的には学習障害の認知度がまだそれほど高くないため、周囲から努力不足と言われ自己嫌悪になり、ひとりで悩んでいる方もいるかもしれません。
もし、今回ご紹介した特徴に当てはまる場合は、一度専門機関や医療機関へ相談すると良いでしょう。