こんにちは!個別指導WAMです(^^)
大学入試において、小論文が課されることは多くなっています。
しかし、小論文の正体や対策方法が分からず、苦手だと感じている受験生も多いのではないでしょうか。
当然、小論文を対策せずに受験することは非常に困難です。
しかし、小論文には決まった型やコツがあるため、ルールを理解すれば上達が可能です。
今回は、そもそも小論文とはどういった文章か、小論文の書き方や種類、構成のポイントなどをご紹介します。
小論文とは
小論文とは
小論文とは、問われる内容について自分の意見を説明し、相手を説得するように書く文章です。
説得するためには理由が必要となります。そのため、意見とともに根拠を提示して記述します。
小論文と作文の違い
小論文と作文の違いは、簡潔に表現すると、書き手の視点と書く目的の違いにあります。
小論文は、上記で述べたように、読み手を説得することを目的とした文章です。そのため、自分の意見を客観的な視点で論理的に説明する必要があります。
一方、作文は自分の体験や感想を主観的に述べ、読み手を惹きつけるための文章です。興味を持たせるために、書き出しや表現に様々な工夫が必要です。小論文はある程度形式が決まっているのに対して、作文は内容に応じた文章力が求められます。
小論文によって何が評価されるのか
それでは、小論文では何が評価されるのでしょうか。
文部科学省の「大学入試改革の状況について」では、「知識・技能及び思考力・判断力・表現力」の評価方法のひとつとして、小論文が挙げられています。
具体的な評価基準は大学により異なりますが、主に表記と内容の両方で評価される傾向にあります。表記については、字数や文体に加えて、漢字や言葉遣いといった表現、文字の丁寧さなどです。内容については、課題の趣旨に対する理解や読解力、意見の一貫性や独自性、論理構成、論理的思考力、説得力、表現力など、学力テストで測ることのできない要素が評価されています。
小論文の実施状況
小論文が実施される割合
次に、大学入試において、小論文はどのくらい実施されているのか見ていきましょう。
文部科学省が作成した「大学入学者選抜関連基礎資料集」によると、AO入試で39.8%、推薦入試で60.0%の学部が小論文入試を実施しています。また、国公立大学一般入試においては全体の76.2%と、多くの大学が入学者選抜のために小論文を利用していることが分かります。
前述した文部科学省の大学入試改革では、「知識・技能及び思考力・判断力・表現力」の評価がこれまで不十分だったとして、入学者選抜において利用する評価方法の一つに、小論文が組み込まれました。その影響もあり、小論文は、大学入試において必須項目となりつつあるのです。
小論文の書き方・進め方のコツ
設問を読み内容を理解する
小論文を書く上でのコツは5つあります。
1つ目は設問内容の理解です。
小論文問題にはいくつかの形式がありますが、どの問題も、まず設問を正確に理解することから始まります。
設問をよく読み、問題の意図、つまり「何を求められているのか」を把握しましょう。字数制限や解答条件を確認することも重要です。
資料を読む
続いて、資料がある場合は、資料を読み内容を理解しましょう。
繰り返し出てくる言葉や重要な文に線を引くなどして、内容のポイントを押さえることが大切です。主観を持たず、客観的な事実として捉えるように心掛けましょう。
全体の構想を練る
問題や資料の内容が理解できたら、全体の構想を考えます。
最初に、自分の主張を設定しましょう。これが小論文の「結論」となります。
次に、その根拠を思いつく限り書き出しましょう。情報源が分かるのであれば、それもあわせて書きます。これが全体に客観性や説得性を持たせる「理由」となります。根拠を裏付ける具体例は、教科書や新聞、ニュース、実体験などを基にすると説得力が増します。日頃から情報を仕入れておくとよいでしょう。
小論文としての構成を考える
主張とその理由が決まり、小論文の軸ができた段階で、小論文の構成を考えます。
一般的に、小論文の構成は大きく分けて「序論」「本論」「結論」の3つですが、「本論」をさらに細かく「反論」と「理由」の2つに分ける場合もあります。構成は、小論文全体の仕上がりを左右する非常に重要なポイントです。しっかりとした枠組みを作るために、メモを取りながらまとめていきましょう。
表現する
最後に、構成が固まれば、メモをもとに各パーツを表現していきます。読み手を意識し、分かりやすい表現をするよう心掛けましょう。
小論文の種類
テーマ型
小論文には主に4つの種類があります。
テーマ型は、テーマを与え、それについて自分の意見を論述させる形式の小論文です。
短いテーマのみが提示されるため、自由度が高いことが特徴です。
一方、ヒントとなる資料がないため、難易度は高めと言えます。傾向としては、時事問題や学部の分野に沿ったテーマから出題されることが多くなっています。
課題文型
課題文型は、課題文を与え、その内容について自分の考えを論述させる形式の小論文です。
最も出題されている形式であり、読解力が問われます。
このタイプでは意見論述に加え、要約が出題されることもあります。要約は、段落ごとに要点を掴み、筆者の主張をまとめる必要があります。
資料(グラフ)型
資料(グラフ)型は、グラフなどのデータを提示し、その分析をもとに論述させる形式の小論文です。
資料から正しい情報を読み取る能力に加え、課題やその理由に対する考察力・分析力、解決策や自分の意見を具体的に論述する力が問われます。
その他の型
その他の型には、特定の教科に基づいて論述させる形式の小論文があります。
前述した3種類のいずれかの要素を含むことが多く、論理的思考力や記述力に加えて、その教科の学力が問われます。
具体的には、英語の長文読解や数学の証明問題、理科の実験考察問題などが出題されます。
小論文の構成のポイント
序論
それでは、小論文の構成における論述ポイントをご紹介します。
まず「序論」では、設問のテーマや問われていることに対して問題提起を行います。全体の結論となる自分の主張を、客観的に述べることが重要です。
書き方の例としては、「~だろうか。」というように、読み手に疑問を投げかけた後、「~だと考える。」と自分の意見を明らかにするような形が多いでしょう。
これから何についての小論文を書くのか、自分はそれに対してどう考えているのか、を読み手に理解させることが大切です。
ここでは、自分の意見の大まかな方向性を簡潔に示すことを意識して書きましょう。
本論
次に、「本論」では自分の意見に対する根拠を説明します。
あるいは、より説得力を持たせるために、まず反対の主張とそれに対する反論を入れ、改めて主張を述べた後で根拠に移ってもよいでしょう。
書き方の例としては、次のようになります。
反対の意見:「確かに、~だ。」/「確かに、~という意見がある。」
反論と主張:「しかし、~だ。」/「しかし、~ではないだろうか。」
根拠 :「実際、~だ。」/「実際、~というデータがある。」
「本論」は、「序論」で述べた自分の意見を掘り下げていくことを意識しましょう。
理由を述べる際は、客観的な情報を用いると内容を深掘りすることができ、説得力も増します。
結論
最後の「結論」は小論文全体の締めとなる部分です。
序論で述べた自分の意見を反復することで、主張を明確に提示します。
書き方の例としては、「したがって、~と考える。」というように、本論で述べた根拠を受けて、自分の意見で結ぶ形です。
問われていることに対する答えになっていることが重要です。曖昧な表現は避け、はっきりと分かりやすく述べましょう。
新しい論述はせず、序論と同じ内容でシンプルに書くことを意識してください。
小論文上達のポイント
繰り返し練習し、添削する
小論文の上達には、繰り返し練習する必要があります。
書き方のコツや構成のポイントを押さえ、過去問や問題集を活用して書く練習を繰り返しましょう。
また、書いて終わりではなく、担任の先生や塾の先生の添削を受けることが重要です。
意見が一貫しているか、論理的に書けているかどうかなど、添削してもらうことで自分の課題が明らかになります。解答例も確認しておきましょう。
常に情報収集を怠らない
常にアンテナを広げ、様々な情報を収集することも大切です。
テーマ型の小論文を中心として、環境問題や社会問題など、時事問題から出題される場合が多い傾向にあります。
普段から書籍やニュースなどに注目し、自分の意見を考える習慣をつけておきましょう。
また、学部の分野に沿った内容からの出題もよくあるため、自分が志望する学部の専門分野に関連する情報にも、積極的に触れるようにしましょう。
事実と考えを明確に分ける
「小論文と作文の違い」で述べたように、主観的な視点で述べる作文とは異なり、小論文は客観的な視点で論述します。
客観性が重視されるため、事実と自分の主観的な考えを混同させないことが重要です。
思うように文章を展開できない場合は、「なぜそれを主張するのか」「なぜそう言えるのか」を考えるようにしましょう。
そのようにして考えを掘り下げることで、客観的な根拠に辿りつくことができます。
また、数字を用いることで、より客観性や具体性が増します。
原稿用紙の使い方や基本的なルールは守る
小論文は、表記の上でもルールがあります。
口語体や略語は避け、段落の1文字下げなど、基本的なルールを守るようにしましょう。
誤字脱字にも注意が必要です。書いた後はしっかりと見直すよう心掛けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
小論文は自分の主張を論理的に説明して読み手を説得する文章です。
客観性が必要となり、テーマや内容によって難易度も様々ですが、書き方や構成のポイントを理解して練習することで、誰でも上達が可能です。
さらに、個別指導塾ではプロの添削を受けることができます。自分の課題や強みを知り、より精度を上げて合格を目指しましょう。小論文対策に不安がある方は、ぜひ相談してみてください。