2022.11.02
【倫理コラムー14】ホッブズ&ロック&ルソー
【ホッブス&ロック&ルソー】 得意技:社会契約説 活躍した時代:近世ヨーロッパ ホッブズ、ロック、ルソー。 彼らの共通項は「社会契約説」です。 ざっくり言えば、 お互いが平和に暮らしていけるためにこそ、 社会(国家)という各々にとっての共通所属先を創り、 お互いが制約を受け入れルールを守りましょう、 という感じです。 それが「社会契約説」。 ホッブスは、 人間はありのままの状態(これを自然状態と言います) だと、戦争になってしまうと言いました。 だからいったん王様に権力を譲渡すべきと言いました。 ロックは、 権力を議会制民主主義に信託すべきと言いました。 そしてその…
2022.10.31
【倫理コラムー13】スピノザ&ライプニッツ
【スピノザ&ライプニッツ】 得意技:「汎神論」&「モナド」 活躍した時代:近世ヨーロッパ スピノザとライプニッツは、 デカルトの「合理論」の系譜です。 つまり後天的な経験より、 先天的(アプリオリ)な理性を 重視する立場ですね。 スピノザは「汎神論」を唱えました。 「汎」とは「全てに行き渡る」と言う意味です。 つまりスピノザにとっては、世界のすべては神。 合理論の祖・デカルトは 「心身二元論」を唱えましたが、 スピノザにとっては心と身体は別々というより、 そもそも両方とも神の一部に過ぎないのです。 ライプニッツは、 世界は無数の単子「モナド」で 構成さ
2022.10.26
【倫理コラムー12】バークリー&ヒューム
【バークリー&ヒューム】 得意技:「観念論」&「懐疑論」 活躍した時代:近世ヨーロッパ バークリーとヒュームは、 ベーコンの「経験論」の系譜です。 「存在するとは知覚されていること」。 バークリーは、 われわれが知覚してはじめて物は存在する、 という「唯心論(=観念論)」を唱えました。 すなわち、われわれが知覚しなければ、 心の外に物質的世界など実在しない。 「人間は知覚の束」。 ヒュームは、 その心の実体さえ疑い、 われわれの存在はその瞬間瞬間の 印象の集合体に過ぎないと唱えました。 ゆえに因果関係だって疑わしい(懐疑論)。 経験論者は
2022.10.24
【倫理コラムー11】デカルト
【デカルト】 得意技:合理論・心身二元論・演繹法 活躍した時代:近世ヨーロッパ デカルトは、 前回の「ベーコン=経験論」とは対極の、 理性重視の「合理論」の祖です。 経験論者はイギリス人が多いため 「イギリス経験論」、 合理論者はフランスやドイツ人が多いので 「(ヨーロッパ)大陸合理論」とも言われます。 デカルトは「演繹法」を唱えました。 「人間は必ず死ぬ」 「あなたは人間だ」 「ゆえにあなたも必ず死ぬ」 という三段論法が有名ですね。 つまり、ひとつの真理から個別を、 抽象から具体を導くのが演繹法です。 みなさんも勉強を通じ教養を深め、 「真理」をたく
2022.10.21
【倫理コラムー10】ベーコン
【ベーコン】 得意技:経験論・イドラ・帰納法 活躍した時代:近世ヨーロッパ ベーコンは、 のちに「大陸合理論」と2大潮流となる、 「イギリス経験論」の祖です。 「イギリス経験論」とは文字通り、 理性より経験を重んじる立場です。 彼は、「イドラ」(偏見・先入観)を 取り除くことの重要性を説きました。 りんごが赤く見えるのは人間だからであって、 他の生物からは違った風に見えているかもしれない。 無宗教が普通だと思うのは日本人だからであって、 他の民族からすれば普通じゃないかもしれない。 ネットのニュースを鵜呑みにするのは危険だ。 テレビのコメンテーターの意見も同じくだ。…
2022.10.19
【倫理コラムー9】ルター&カルヴァン
【ルター&カルヴァン】 得意技:福音主義&予定説 活躍した時代:近世ヨーロッパ ルターとカルヴァンは、キリスト教改革の旗手です。 堕落が進む教会に対し、 「イエスの教えに帰れ!」という キリスト教原点回帰の運動をしました。 福音主義とは、聖書主義、すなわち、 「イエスの教えに忠実に」という意味です。 「贖宥状(免罪符)を買えば神の国に行ける」 などとは、少なくともイエスは言っていない、 聖書には書いていない。 また、カルヴァンは、「予定説」を提唱しました。 すなわち、死後「神の国」に行けるか否かは、 あらかじめ神によって決められている。 「なんだ、そ…
2022.09.21
【倫理コラムー8】トマス=アクィナス
【トマス=アクィナス】 得意技:哲学は神学の侍女 活躍した時代:中世ヨーロッパ トマス=アクィナスは、 哲学と神学(キリスト教)の 対立の調和を図った人です。 哲学とは、理性・合理・相対、なもの。 宗教とは、感性・非合理・絶対、なもの。 つまり両者はある意味で水と油、 そもそも対立するの当然なのです。 しかし哲学の本質の 「理性」(=深く正しく考え抜く力)も、 そもそもは神が人間に与えてくれたもの。 ゆえに哲学は神学を補完するもの =「哲学は神学の侍女(=召使い)」、 とアクィナスは説きました。 みなさんが今頑張っている「勉強」も、 「本当に大切なこと・本当に美しいもの」に 近付くための手段で
2022.09.19
【倫理コラムー7】ムハンマド
【ムハンマド】 得意技:神の前の平等 活躍した時代:7世紀アラビア半島 ムハンマドは、 世界最強宗教のキリスト教に、 今や迫る勢いのイスラームの創始者です。 イスラーム教義の 最大の要諦(=重要ポイント)は 「神の前の平等」です。 イスラーム教徒であれば、 神様(アッラー)以外はみんな平等。 またイスラームは他の宗教と違い、 宗教が政治や生活と 密接に関わっています(聖俗一致)。 そして教徒は生活の中で、 礼拝などの義務(日々のルーティン)を、 忠実に守っています。 みなさんも、たまの休みは必要ですが (ユダヤ教の「安息日」で話しましたね
2022.09.16
【倫理コラムー6】アウグスティヌス
【アウグスティヌス】 得意技:懺悔と恩寵 活躍した時代:古代ローマ アウグスティヌスは、 「キリスト教最大の教父」と呼ばれた、 キリスト教の教義体系を確立した聖人です。 彼が確立した協議の中でも、 特に重要なのが「三位一体説」。 少し難しいですが、 父なる神と、 子なるイエスと、 聖霊(両者を繋ぐ神の不思議パワー)は、 それぞれひとつのもの(神)の 別の顔(ペルソナ≒位相)で、 実体はひとつ(神)、という意味です。 また彼は、「恩寵」を強調しました。 原罪(≒性悪説)を背負った人間は、 神の恩寵(愛と赦し)によってのみ、 救われ善行をなせる、という意味
2022.09.14
【倫理コラムー5】イエス
【イエス】 得意技:愛 活躍した時代:古代イスラエル イエスは、 「愛」という強烈なエクスタシーで 世界を席巻した「キリスト教」の元祖です。 ただし本人はユダヤ教徒で、 イエスの教えをイエスの死後 「キリスト教」として広めたのは、 弟子たち(=使徒)です(パウロら)。 イエスの必殺技は「愛」です。 みんな愛が大好きなので、 その「愛」を中心理念に据えたキリスト教は、 爆発的なポピュラリティ(人気)を博し、 現在も世界最大最強の宗教として 君臨し続けています。 誰かを愛するためには想像力が必要で、 想像力を得るためには教養が必要で、 教養を得るためには勉