2022.10.24
【倫理コラムー11】デカルト
【デカルト】 得意技:合理論・心身二元論・演繹法 活躍した時代:近世ヨーロッパ デカルトは、 前回の「ベーコン=経験論」とは対極の、 理性重視の「合理論」の祖です。 経験論者はイギリス人が多いため 「イギリス経験論」、 合理論者はフランスやドイツ人が多いので 「(ヨーロッパ)大陸合理論」とも言われます。 デカルトは「演繹法」を唱えました。 「人間は必ず死ぬ」 「あなたは人間だ」 「ゆえにあなたも必ず死ぬ」 という三段論法が有名ですね。 つまり、ひとつの真理から個別を、 抽象から具体を導くのが演繹法です。 みなさんも勉強を通じ教養を深め、 「真理」をたく
2022.10.21
【倫理コラムー10】ベーコン
【ベーコン】 得意技:経験論・イドラ・帰納法 活躍した時代:近世ヨーロッパ ベーコンは、 のちに「大陸合理論」と2大潮流となる、 「イギリス経験論」の祖です。 「イギリス経験論」とは文字通り、 理性より経験を重んじる立場です。 彼は、「イドラ」(偏見・先入観)を 取り除くことの重要性を説きました。 りんごが赤く見えるのは人間だからであって、 他の生物からは違った風に見えているかもしれない。 無宗教が普通だと思うのは日本人だからであって、 他の民族からすれば普通じゃないかもしれない。 ネットのニュースを鵜呑みにするのは危険だ。 テレビのコメンテーターの意見も同じくだ。…
2022.10.19
【倫理コラムー9】ルター&カルヴァン
【ルター&カルヴァン】 得意技:福音主義&予定説 活躍した時代:近世ヨーロッパ ルターとカルヴァンは、キリスト教改革の旗手です。 堕落が進む教会に対し、 「イエスの教えに帰れ!」という キリスト教原点回帰の運動をしました。 福音主義とは、聖書主義、すなわち、 「イエスの教えに忠実に」という意味です。 「贖宥状(免罪符)を買えば神の国に行ける」 などとは、少なくともイエスは言っていない、 聖書には書いていない。 また、カルヴァンは、「予定説」を提唱しました。 すなわち、死後「神の国」に行けるか否かは、 あらかじめ神によって決められている。 「なんだ、そ…
2022.09.21
【倫理コラムー8】トマス=アクィナス
【トマス=アクィナス】 得意技:哲学は神学の侍女 活躍した時代:中世ヨーロッパ トマス=アクィナスは、 哲学と神学(キリスト教)の 対立の調和を図った人です。 哲学とは、理性・合理・相対、なもの。 宗教とは、感性・非合理・絶対、なもの。 つまり両者はある意味で水と油、 そもそも対立するの当然なのです。 しかし哲学の本質の 「理性」(=深く正しく考え抜く力)も、 そもそもは神が人間に与えてくれたもの。 ゆえに哲学は神学を補完するもの =「哲学は神学の侍女(=召使い)」、 とアクィナスは説きました。 みなさんが今頑張っている「勉強」も、 「本当に大切なこと・本当に美しいもの」に 近付くための手段で
2022.09.19
【倫理コラムー7】ムハンマド
【ムハンマド】 得意技:神の前の平等 活躍した時代:7世紀アラビア半島 ムハンマドは、 世界最強宗教のキリスト教に、 今や迫る勢いのイスラームの創始者です。 イスラーム教義の 最大の要諦(=重要ポイント)は 「神の前の平等」です。 イスラーム教徒であれば、 神様(アッラー)以外はみんな平等。 またイスラームは他の宗教と違い、 宗教が政治や生活と 密接に関わっています(聖俗一致)。 そして教徒は生活の中で、 礼拝などの義務(日々のルーティン)を、 忠実に守っています。 みなさんも、たまの休みは必要ですが (ユダヤ教の「安息日」で話しましたね
2022.09.16
【倫理コラムー6】アウグスティヌス
【アウグスティヌス】 得意技:懺悔と恩寵 活躍した時代:古代ローマ アウグスティヌスは、 「キリスト教最大の教父」と呼ばれた、 キリスト教の教義体系を確立した聖人です。 彼が確立した協議の中でも、 特に重要なのが「三位一体説」。 少し難しいですが、 父なる神と、 子なるイエスと、 聖霊(両者を繋ぐ神の不思議パワー)は、 それぞれひとつのもの(神)の 別の顔(ペルソナ≒位相)で、 実体はひとつ(神)、という意味です。 また彼は、「恩寵」を強調しました。 原罪(≒性悪説)を背負った人間は、 神の恩寵(愛と赦し)によってのみ、 救われ善行をなせる、という意味
2022.09.14
【倫理コラムー5】イエス
【イエス】 得意技:愛 活躍した時代:古代イスラエル イエスは、 「愛」という強烈なエクスタシーで 世界を席巻した「キリスト教」の元祖です。 ただし本人はユダヤ教徒で、 イエスの教えをイエスの死後 「キリスト教」として広めたのは、 弟子たち(=使徒)です(パウロら)。 イエスの必殺技は「愛」です。 みんな愛が大好きなので、 その「愛」を中心理念に据えたキリスト教は、 爆発的なポピュラリティ(人気)を博し、 現在も世界最大最強の宗教として 君臨し続けています。 誰かを愛するためには想像力が必要で、 想像力を得るためには教養が必要で、 教養を得るためには勉
2022.09.12
【倫理コラムー4】モーセ
【モーセ】 得意技:十戒 活躍した時代:古代イスラエル モーセは、ユダヤ教の預言者です。 ユダヤ教とは、キリスト教の元になった、 世界最古の宗教のひとつです。 預言者とは、 未来を予測する「予言者」とは字が違い、 「神の言葉を預かり民に示す人」の意です。 モーセは、 「十戒」という律法(神と民との契約)を、 ユダヤ人に示しました。 その中に、「1週間に1度の安息日は働くな」 というものがあります。 なぜなら、神は天地創造を6日間で行われ、 7日目には休まれたからです。 勉強も同様です。 あまりに根を詰めては逆効果、 せめて1週間に1日くらいは休みましょ
2022.09.09
【倫理コラムー3】アリストテレス
【アリストテレス】 得意技:中庸 活躍した時代:古代ギリシア アリストテレスは、 「万学の祖」と言われています。 哲学のみならず、 倫理学から自然科学に至るまで、 今ある色んな学問のパイオニア、 という意味です。 またアリストテレスは、 「人生の目的は幸福になること」と言いました。 そしてそのために必要な要素のひとつが、 「中庸」という概念であると言いました。 街で恋人と歩いていて 怖い人にからまれて(笑)、 恋人を見捨ててひとりで逃げ出したら 流石に「臆病」です。 しかし、10人の怖い人に1人挑むのは 流石に「無謀」です。 この「中庸」(バランス)が
2022.09.08
【倫理コラムー2】プラトン
【プラトン】 得意技:イデア(理想主義) 活躍した時代:古代ギリシア プラトンはソクラテスの弟子です。 そしてプラトンの弟子がアリストテレスです。 プラトンの必殺技は理想主義です。 つまり、「ここではないどこか」がある、 この世のどこかには 現実世界とは違う理想の世界がある、 と言います。 そしてその理想の世界(イデア界)に 近付くべく、人間は哲学し、 魂を磨かねばならないと言います。 「星の王子さま」にも、同様の文言があります。 すなわち、 「本当に大事なものは目には見えない」。 勉強でもそうです。 目先の点数や偏差値(目に見えるもの)