2021.09.30
真意
「勉強ってなんの意味があるの?」という質問や、「こんなの習っても社会に出て使わない」という主張をよく耳にする。これらの問いにまともに答えようとして、功利的な理由付けや演出された楽しさを提示する大人も多いが、どうしても空々しく聞こえてしまう。その証拠に、そういった説明を受けた側は納得していないことが多いと感じる。日々生徒たちと接するなかで、そういった功利的な計算に基づいて勉強をしている生徒は皆無に等しい。 そもそも、勉強の意味や社会での有用性を問うてくる本人たちは、本気でその答えを聞きたいわけではない。本気でその答えを聞きたいのであれば、日本で義務教育が導入された背景や学校の目的などを知るた…
2021.08.26
勉強に対する認識の違い
成績の良い生徒と成績の悪い生徒を比較してみると、両者の違いは問題の解き方に顕著に表れてくる。プリントを渡して問題を解いてもらうと、成績の良い生徒は、わからない問題を飛ばしてとにかく最後まで解こうとする。そして、自分の解答に自信がなくても、ひとまずは解答欄を埋める。他方で、成績の悪い生徒は、わからない問題をいつまでも考え続け(あるいは考えているふりをし続け)、その結果最後まで解き終わることはない。 こうした違いは、勉強に対する認識の違いから生まれているように思う。成績の良い生徒は、「わからない問題をどんどん少なくしていき、解ける問題を増やしていこう。そのために、今はわからなくても教えてもらったり…
2021.06.30
【高積中学校 1学期期末テスト終了 和歌山市】
こんにちは。Wam高積校です。 高積中学校の1学期期末テストが今日で終了しました。 少し問題を見せてもらいましたが、理科はダニエル電池の仕組みが出題されていました。授業でも多くの生徒が頭を悩ませながら解いていました。テスト対策授業でも説明したので、ちゃんとできていると思います。 社会では、今年に入ってから、特に中学3年生の問題が難しくなっています。問題文中に資料や表・グラフが多く出てきており、教科書や資料集の図表をきちんと確認しておかなければ点を取れないようになっています。 Wam高積校では、定期テストの問題の回収を徹底しており、次のテストに向けた対策
2021.05.18
問題の矮小化
先日、問題を解いて間違えた生徒に対して、「ケアレスミスだ」と言っていた講師がいました。しかし、その言葉だけで物事を片付けてしまうと、おそらく改善は期待できないでしょう。 生徒や講師が「ケアレスミス」という場合、よくよく観察してみると、間違えた原因がいくつか見つかります。問題文をきちんと読んでいない・計算の過程を省いている・そもそも問題の解き方がおかしい・公式や用語を誤って暗記している、など。 間違えた原因を見つけ出し、それらを改善していくことが重要です。正当な根拠もなく問題を矮小化するべきではありません。それはある意味で思考停止です。思考を先に進めなければいつまでも同じ間違いをしてしまいます。
2021.03.31
新年度に向けて
振り返ってみると、2020年度は良い一年でした。自己評価は総じて高くなりがちであることを承知の上ですが、それでもいろいろと成長できた一年だったかなと思います。 受験生たちも全員が目標に向かって努力してくれました。彼らなりにも勉強以外の何かを学んでくれたと思います。本当に頑張りました。お疲れ様でした(もちろん本人たちにも直接伝えましたが、何度でも言いたいのでここでも述べておきます)。 来年度は自分自身もっと成長できるように、学べる人からどんどん学び、自分で考え、迷いながらも前進できればと感じています。 来年度もよろしくお願い致します。
2021.02.07
量質転化
勉強に限らず、何事においても重要なことは、「質」です。勉強でいうと、大量の問題を解くことよりも、一回の授業や1つの問題でどれだけ多くのことを学べるかということが重要視される場合があります。いわゆる「一を聞いて十を知る」ということなのでしょう。確かに、同じ1回の授業なら、その中でなるべく多くのことを学べた方が良いに決まっています。無駄を省くことは良いことだ、と多くの人が賛成するでしょう。 しかし、こうした「質」を求めるあまり、それしか見えていない人が多いように観察されます。つまり、努力を最小限に抑え、効率良く何かを得ようとしている人が多いように感じます。子どもであっても大人であっても、です。…
2021.01.31
ストイック
自分ではコントロールできないものに遭遇した時、人は感情的になることがある。出かける直前になって急に雨が降り始めてきたりすると、つい腹が立ってしまう。しかし、自分ではどうしようもないことなのだから、腹を立てても仕方がないとも考える。 こういった、自分ではコントロールできないことに対して腹を立てるべきではなく、それに対する自分の感情をコントロールした方が良い。自分の感情はコントロールできるのだから、そちらの方に力を注いだ方が、精神的にも安定する。 以上のような考え方は「ストア哲学」のそれであるが、日々を生きていくうえで非常に参考になる考え方である。「ストイック(禁欲的な)」の語源にもなっているよう
2020.12.28
振り返り
今年を振り返ると、自分なりに成長できた一年だったと感じています。環境が変化し、勉強になることが非常に多かったです。新しいことにも挑戦し、しかもそれが良い結果に繋がりました。助けていただいた人たちには感謝をしてもしきれません。 来年度はもう少し良い年になるような気がしています。これはただの願望ではなく、もっとしっかりとした予感があります。来年度のイメージが具体的に想像できます。というのも、今年のうちにそうなるように準備をしてきたからです。それでも、良い年になるかどうかはわかりません。自分の計画を悲観しながら対応策を考え、少しずつ進めていきたいと思います。 来年はもっと勉強しなければなりません。来
2020.11.28
科目の好き嫌い
科目の好き嫌いは誰にでもあると思います。そして、その理由も様々です。解くのに時間がかかったり、解く過程がややこしかったりすると、その科目を嫌いと思ったりもするのでしょう。逆に、比較的スラスラと解けてしかもそこそこの点数を取れる科目は、好きな科目に分類されるのでしょうか。 さて、生徒の中には(今までの経験上、特に女子生徒に多いように思います)、学校の先生が嫌いだからその先生の教えている科目も嫌い、という子もいます。私が中学生・高校生の時にもそう言う同級生がいました。まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということなのでしょう。当時の私は、「先生の人格と科目は全く別物なのに」と思いながら聞いていました…
2020.10.23
言外の意味
普段から生徒たちと接するにあたって、言葉による教育に勤しむことが多いですが、言葉によらない教育というのも成立すると考えています。 生徒たちは日々、家庭・学校・塾などの環境の中で生活し、その成長過程において人格を形成していきます。そして、そこで形成されてきた価値観を携えて今後の人生を過ごしていくことになります。そうであれば、子どもの成長過程に関わる人たちは、礼儀・誠実さ・他者への配慮・ルールを守ることなど、たくさんのことを伝えていかなければなりません。いつまでも生温い価値観の中で生きていけるわけではないので、時には厳しく指導していく必要もあります。 近頃はやたらとお手軽さや楽しさを演出する風潮に