前回に引き続き、もう少し具体的になぜ国語力が必要なのかを話していきます。
ここでは、大阪府の公立高校の入試問題を例に見ていければと思います。
まずは、国語の問題ですが、ここでは現代文の読解、古典、漢字・文法問題に加えて、作文問題があります。作文の文字数は問題によって異なりますが、最難易度C問題であれば300字以内となります。限られた試験時間内でお題に対して作文を300字ですので、如何に考える力と表現力が問われていることがわかるかと思います。その他にも長文問題でも記述問題も多く出題されますので、当然、国語力が一番問われる問題と言える科目です。
次に数学です。数学で国語力?と思われるかもしれませんが、計算問題を除く、他の単元の問題は、すべて問題文を正確に読み、理解する必要があります。方程式の文章問題、関数、確率・データの活用、図形など全て問題の条件などは文章で書かれています。実際に2024年の共通テストでは数学の問題文が数ページに及ぶような確率の問題も出題されています。高校入試ではそこまではいかないですが、計算問題以外での文章を読み取る力は必要になっています。
続いては、社会の問題です。親御様世代だとまさに暗記科目の一番手だったと思いますこの社会ですが、最近の問題の文章量を見てもらいたいです。また、資料のグラフや表、写真なども含めて読み取り問題に答えていく必要があります。この文章も単純な問題文として文章もありますが、グループで調べた内容の記述であったり、調べた内容をディスカッションしているものだったりしており、文章構成も多岐にわたります。また、理由や背景などを答える記述問題も増えており、語句や人物名、事柄、年号などを単純に覚えているだけでは正解出来ない問題も非常に多く出題されています。
理科も社会同様に暗記科目+計算問題のイメージが強いかもしれませんが、こちらも社会同様に非常に問題文が長くなっております。実験や観察の過程が文章化されており、ここでもそれが発表内容だったり、会話だったりと書き方も多岐にわたります。記述問題も社会同様に増えており、実験や観察での理由なども問われている問題が多く出題されます。
社会と理科は、是非一度問題文を見て頂き、文章量の多さをだけでも確認してもらえたらと思います。
最後に英語ですが、こちらも言語科目ですので、母国語の日本語がしっかり出来ていないと出来ないのは何となくイメージがつくかもしれません。英語でも国語同様に自由英作文が出題されます。この自由英作文は、国語の点数に比例すると言えるかと思います。自由英作文では特に難しい文法や単語、イディオムを使う必要はなく、聞かれていることに対して正確な英語文を記述する問題です。英検でも大学入試でもそうですが、このような自由英作文の多くは、減点方式で点数がつきます、したがって無理に難しい表現をしていても加点されるわけではなく、単純にミスしての減点をしやすくしているだけと言えます。多くの生徒が日本語がベースだと思いますので、日本語で解答の内容を考えそれを英語にて表していると思いますが、この日本語を自分のできる英語分で作ることができれば、減点を減らすことができると言えます。
以上のようにどの科目においても国語力をつけておくことが重要であると言えるかと思います。ただ、いくら重要とはわかっていても、すぐに定期テストの点数などに反映しずらい科目でもありますので、読書が好き、文章を書いたり、考えたりが好きというわけではない生徒さんは、長期休暇を利用して普段とは違って国語の勉強をして国語力を身につけてもらえたらと思います。