教室ブログ

2024.11.12

【共通テスト現代文講評2024②】

<出典>

牧田真有子「桟橋」

 

<難易度・目標時間>

標準・25分。

第1問と同じく、

本文に付随する文章から

本文を遡って理解したい。

第1問・第2問とも、

むしろ付随文章から先に読みたい。

付随文章からだけでも、

・「<私>を枠づけたい欲求」が

「おば」にはない

・「おば」は「様々な役を演じることで

自分であることから離れている」

ということが読み取れる。

 

<要旨>

*勿論本文前の「リード文」は熟読!!

住居を転々とする役者の「おば」。

おばは

「演じるごとに自分をあけ払う」、

「自分というものがない透明な」、

つかみどころのない人だった。

 

<問1> 4・4・2 やや難

(ア)は(3)、

(イ)は(1)、

(ウ)は(5)と迷う。

特に(ウ)「やにわに」は

初耳の受験生が多いだろう。

 

<問2> 1 標準

▶「世界は崩れなかった」

=その場が保たれた

(2)「たわいのない遊戯」が

記述なしで✕。

(3)「相応の意味付け」、

「結果的に退屈させない」が△。

(4)「恥じることなく」が

記述なしで✕。

(5)「設定が複雑で難解」が△、

「話の筋をつくりかえる」が

記述なしで✕。

*「解答のイメージ」を持って

「積極法」で臨めばズバリ(1)

*(3)と迷う

 

<問3> 4 標準

▶友人は「もう」気安い

⇒「最初は」気安くなかった

⇒なぜ「途中から」気安くなったのか

⇒おば同居の真実イチナに打ち明けて

友人は気持ちが軽くなったから

*積極法で「後ろめたさから解放」

の(4)が正解、

特に紛らわしい選択肢もなし。

(1)「口止め」が本文になく✕

(2)「つくろうとした」が✕。

意図的ではない。

(3)「二人(おばと友人)の仲を

気にし始めたイチナ」が✕。

イチナは今初めて、

二人(おばと友人)の

同居の事実を知った。

(5)「おばがイチナにうっかり話す」

が本文からは読み取れず✕。

 

<問4> 2 標準

▶「手の動きの描写」

=心情の揺れの象徴

=二重の動揺

=①友人とおばの同居の事実

=②自分と違う友人の意見

(自分:おばはずぼら)

(友人:ぼろを出さない)

*また積極法で(2)が正解、

特に紛らわしい選択肢はない。

(1)「自分とおばの関係に他人が

割り込んでくる衝撃」が✕。

そんなにおばLOVEではない。

イチナにとっても、おばはどこか

つかみきれない存在。

(3)「居候が厚かましく迷惑」が×

(4)「物寂しい想い」が✕。

(1)同様、そんなにおばに

ゾッコンではない。

(5)「同じ思い」が×。

友人とイチナのおばに対する思い

(捉え方)は少し違う。

 

<問5> 2 標準

▶「私は」ごまかされたくない

⇒「私は」おばをちゃんと理解したい

*これまた積極法で(2)が正解

(1)「迷惑なものとして追求」が✕

(3)「観察することで」が✕。

本文の「観察日記」という記述は

あくまで比喩、

本当に観察するわけではない。

(4)「友人や母がおばがどこまでが

演技が見抜けなかった」が

本文になく✕。

(5)「おばがはぐらかす」

「おばに丸め込まれる」

「おばを観察する」などが△。

 

<問6> 2 標準

*本文の表現を問う問題は

流石に消去法しかない
(2)「遊具の影が伸び続けていく」は

「時間の経過」であって

「子どもたちの意識の変化」

ではない。そんなザコキャラの

子供たちの「意識の変化」なんて

わざわざ描写しない。

 

<問7> (i)4 (ii)3 標準

(i)

▶X⇔Y

Y=「人は自己を枠づけたい」

(ii)

▶=「おばは様々な役になりきることで

自分であることから離れている」

=「演じるごとに

役柄に自分をあけ払う」

⇔「人は自己を枠づけたい」

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