<出典>
牧田真有子「桟橋」
<難易度・目標時間>
標準・25分。
第1問と同じく、
本文に付随する文章から
本文を遡って理解したい。
第1問・第2問とも、
むしろ付随文章から先に読みたい。
付随文章からだけでも、
・「<私>を枠づけたい欲求」が
「おば」にはない
・「おば」は「様々な役を演じることで
自分であることから離れている」
ということが読み取れる。
<要旨>
*勿論本文前の「リード文」は熟読!!
住居を転々とする役者の「おば」。
おばは
「演じるごとに自分をあけ払う」、
「自分というものがない透明な」、
つかみどころのない人だった。
<問1> 4・4・2 やや難
(ア)は(3)、
(イ)は(1)、
(ウ)は(5)と迷う。
特に(ウ)「やにわに」は
初耳の受験生が多いだろう。
<問2> 1 標準
▶「世界は崩れなかった」
=その場が保たれた
(2)「たわいのない遊戯」が
記述なしで✕。
(3)「相応の意味付け」、
「結果的に退屈させない」が△。
(4)「恥じることなく」が
記述なしで✕。
(5)「設定が複雑で難解」が△、
「話の筋をつくりかえる」が
記述なしで✕。
*「解答のイメージ」を持って
「積極法」で臨めばズバリ(1)
*(3)と迷う
<問3> 4 標準
▶友人は「もう」気安い
⇒「最初は」気安くなかった
⇒なぜ「途中から」気安くなったのか
⇒おば同居の真実イチナに打ち明けて
友人は気持ちが軽くなったから
*積極法で「後ろめたさから解放」
の(4)が正解、
特に紛らわしい選択肢もなし。
(1)「口止め」が本文になく✕
(2)「つくろうとした」が✕。
意図的ではない。
(3)「二人(おばと友人)の仲を
気にし始めたイチナ」が✕。
イチナは今初めて、
二人(おばと友人)の
同居の事実を知った。
(5)「おばがイチナにうっかり話す」
が本文からは読み取れず✕。
<問4> 2 標準
▶「手の動きの描写」
=心情の揺れの象徴
=二重の動揺
=①友人とおばの同居の事実
=②自分と違う友人の意見
(自分:おばはずぼら)
(友人:ぼろを出さない)
*また積極法で(2)が正解、
特に紛らわしい選択肢はない。
(1)「自分とおばの関係に他人が
割り込んでくる衝撃」が✕。
そんなにおばLOVEではない。
イチナにとっても、おばはどこか
つかみきれない存在。
(3)「居候が厚かましく迷惑」が×
(4)「物寂しい想い」が✕。
(1)同様、そんなにおばに
ゾッコンではない。
(5)「同じ思い」が×。
友人とイチナのおばに対する思い
(捉え方)は少し違う。
<問5> 2 標準
▶「私は」ごまかされたくない
⇒「私は」おばをちゃんと理解したい
*これまた積極法で(2)が正解
(1)「迷惑なものとして追求」が✕
(3)「観察することで」が✕。
本文の「観察日記」という記述は
あくまで比喩、
本当に観察するわけではない。
(4)「友人や母がおばがどこまでが
演技が見抜けなかった」が
本文になく✕。
(5)「おばがはぐらかす」
「おばに丸め込まれる」
「おばを観察する」などが△。
<問6> 2 標準
*本文の表現を問う問題は
流石に消去法しかない
(2)「遊具の影が伸び続けていく」は
「時間の経過」であって
「子どもたちの意識の変化」
ではない。そんなザコキャラの
子供たちの「意識の変化」なんて
わざわざ描写しない。
<問7> (i)4 (ii)3 標準
(i)
▶X⇔Y
Y=「人は自己を枠づけたい」
(ii)
▶=「おばは様々な役になりきることで
自分であることから離れている」
=「演じるごとに
役柄に自分をあけ払う」
⇔「人は自己を枠づけたい」