教室ブログ

2024.11.10

【共通テスト現代文講評2024①】

<出典>

渡辺裕

「サウンドとメディアの文化資源学」

 

<難易度・目標時間>

やや難・25分。

本文自体はやや難しいが、

付随する「生徒Sさんの文章」と

設問はやや易しく、

バランスされている印象。

平易な「生徒Sさんの文章」が

やや難しい本文と

当然ながら関連・対応しているわけで、

遡って本文の理解の助けとしたい。

特に(問6)はやさしいので、

ちまちま消去法を駆使せず、

ズバッと即答3連発したい。

すると20分以内解答も見えてくる。

 

<要旨>

現代は「博物館化」の時代。

現代は作品そのものだけでなく、

それを取り巻く「コンテクスト」をも

鑑賞したいと欲する時代。

しかし「芸術」はそのような

「鑑賞のまなざし」があって

「はじめて」成立するものであり、

「芸術」それ自体を

本質化・自明化することは危険だ。

 

<問1> 2・3・2・2・3 標準

掲載・活躍・催し・悪弊・紛れ。

*1問までのミスで乗り切りたい。

 

<問2> 5 標準

▶「典礼なのか音楽なのかかなり微妙」

⇒二元論では解決できない

⇒複合的・同時並行的・相互不可分的

(1)「典礼」のみに寄っていて×

(2)「音楽」のみに寄っていて×

(3)「音楽」のみに寄っていて×

(4)CDじゃなく、DVD…。で、✕

*(4)と(5)で迷う

*即答できなければ無理をせず

しばらく先を読み進めること。

*いきなり選択肢を見ないこと。

ある程度「解答のイメージ」を

描いてからでないと、

消去法に時間を食ってしまう。

 

<問3> 1 標準

▶現代芸術が置かれている「状況」説明

⇒「博物館化」

⇒「作品」+「コンテクスト」鑑賞

⇒「鑑賞するまなざし」の拡大

(2)「その周辺に関心が移り」が✕。

作品にもその周辺(コンテクスト)

にも両方関心はある。

(3)「地域全体を展示空間とみなす」

が✕。「作品とみなす」が正しい。

(4)「作品を博物館に取り込んだ」は

現代ではなく19世紀の状況で✕。

(5)「町をテーマパーク化し人々の

関心を呼び込む」が記述なしで×。

*(1)と(4)で迷う

 

<問4> 5 やや難

▶10段落冒頭「簡単に言えば」

⇒芸術は「ある」のではなく「なる」

⇒「鑑賞の眼差し」があり始めて成立

⇒自明ではない・本質ではない

⇒絶対視は危険

(1)「人々の心性」がピントずれで×

(2)芸術の多様化は

「コンサートホール」や「美術館」を

超えて「鑑賞のまなざしが拡大」

したことによるものなので✕。

(3)「あらゆるものが芸術化」

する状況を説明できないから

「警戒心を持つべき」ではない。

「芸術自体が普遍化=聖域化」

してしまいかねないから

「警戒心をもつべき」。

因果関係がおかしいから✕。

(4)現代に於ける

「芸術のイデオロギー」は

「コンサートホール」や「美術館」

だけで生まれているのではない。

「鑑賞のまなざしの拡大」

=「美術館などの外」も

「概念(価値観)の適用範囲」。

「博物館の内と外」の相互作用で

「現代芸術のイデオロギー」は誕生。

*(4)と(5)で迷う

*この問はつべこべ言わず、

まさに「芸術の本質化は危険」

という「解答のイメージ」を持ち、

積極法でズバリ(5)を即答したい。

「最も適当」なのは(5)しかない。

 

(問5) 3 やや易

(3)「別の問題への転換」が✕。

*構成・展開に関する問題は消去法で

 

(問6)(i) 1 やや易

▶小説を読み

⇒舞台の町を歩くことで

⇒町がいつもと違って見える

*積極法でズバリ!

(問6)(ii) 3 やや易

▶小説を読み

⇒舞台の町を歩くことで

⇒町がいつもと違って見え

⇒小説を読み返しても新たな発見

⇒なぜなら実際に町を歩き

そのイメージを作品に重ねたから

*積極法でズバリ!

(問6)(iii) 2 やや易

▶文章冒頭

「作品を現実世界とつなげて鑑賞」

に近い選択肢を選ぶ

*積極法でズバリ!

*本文は

「作品」と「コンテクスト」の

弁証法(両方の融合・相互作用)

*Sさんの文章は

「作品」と「現実世界」の

弁証法(両方の融合・相互作用)

この記事をシェア

教室検索

  • 郵便番号で探す
  • 市区町村名・教室名で探す

\入力はカンタン30秒

フリーダイヤル® 0120-20-7733 受付時間:10:00~22:00(年中無休)