こんにちは、個別指導Wam藤の木校です。
小学校から徐々に慣れ親しまされている英語。日本語と違って英語は、発音の難しさもありますが、つづり(綴り、スペル)の難しさもあります。つづりは小学校でも厄介ですが、中学、高校となるに従いさらに難しくなっていきます。発音通りの文字列なら楽なのに、なぜこんなにつづりと発音で異なるんでしょうか?
まず無音の文字がいっぱいあるというのが許せませんよね。まぁ日本語だって百舌鳥と書いて「もず」と読むなど厄介さでは負けてはいません(むしろ日本語の方が難しい?)が、英語も幽霊のような文字がそこここにあります。
例えば・・・
水曜日 Wednesday ウエンズデイ(dやeは発音しない)
島 island アイランド(sは発音しない)
心理学 psychology サイコロジー(pやhは発音しない)
疑う doubt ダウト(bは発音しない)
このように「このときはこう」といったパターンが決まっておらず、英語はアルファベット文字を使う言語の中でも非常に難解とされています。なぜでしょうか?
実は英語の起源をたどると、ヨーロッパ各地の民族の言語に行きつきます。ヨーロッパ各地の民族の言語とはラテン語/ギリシア語/ドイツ語/フランス語などなど。これらがおよそ1300年かけてゆっくり進化してきて今の英語になったそうです。
複数の言語が混ざってできたからこれだけ複雑なんだと聞くと、英語が複雑な言語であることも納得しますよね。
それに、日本語の母音は5つだけですが、英語の母音は30以上もあります。英語も母音に応じてつづりも変わっているので、日本人にとってはより難しく思えることでしょう。
英米の専門家でも複雑さはわかっていて、「英語のスペルをつづり(スペル)をわかりやすくしよう」という「英語のつづり字改革」が、実は数百年も前から続いているそうです。が、今さら感もあり、あまり変わっていません。
今のアメリカ英語はざっと200年前に統一化されたもので、それまでは元になったイギリス英語も混ざっていました。イギリス英語とアメリカ英語は、似てはいるものの特につづりに微妙な?違いがあります。
センター 米:center 英:centre どちらもセンターと読む
色 米:color 英:colour どちらもカラー
グローバリゼーション 米:globalization 英:globalisation zとsが違う
秋 米:fall 英:autumn 表現自体が異なる
日本の英語学習はアメリカ英語のスペルをベースにしているので、イギリス英語をみると少し違和感を感じるのではないでしょうか。
日本人はアメリカ式が世界標準と思っているようですが、全世界を見渡してみると実はイギリス式の方が多いので(例えばニュージーランドとかシンガポールとか)、あなたがこれから世界で活躍することを考えると(?)少し注意しておくとよいかもしれません。
一方で、日本語を使う私たちは、幼少期から慣れ親しんでいるから簡単そうに思えていますが、ひらがな/カタカナ/漢字と三種類の文字を使い分けています。しかもカタカナで表現している言葉は英語だけでなくオランダ語/フランス語/ドイツ語などなど、異常なくらいたくさんあります。
中学以降の国語で古文(古典)を習いますが、ざっくり言って約1000年前の言葉を学んでいることになります。「同じ日本語なのに古文(古典)はよくわからない」という声をよく耳にしますが、それだけ言語が変化している証拠でもあります。
約1000年の時を経て、三種の文字を使い分けながら、かつ異国の言葉(外来語)も取り入れながら、独自に変化してきた日本語を母語としつつも、アルファベット文字を使う言語の中で非常に難解とされる英語(アメリカ英語)を学んでいる。これが容易であるはずがありません。世界の中でも最も困難な言語学習を、私たちは小・中・高12年間でし続けているのです。
かといって「だからわからなくて当然」「だから勉強しなくてよい」とはならないのが悔しいところです。英語も古文も難しいですが、「世界で一番難しい勉強しているんだから」と自分を慰めつつ、今日も頑張っていきましょう。
【参考】
TBS RADIO Session 2024.5.30放送 Weekly English Journal〜アメリカの小中学生が英単語の綴りで切磋琢磨するSpelling Bee全国大会