理科を「覚えればOK」と思っている生徒も多いですよね。もちろん、用語や公式を覚えるのは必要です。でも、大学入試で求められるのは、それ以上のものです。たとえば、物理の運動方程式や化学の反応式を丸暗記するだけでは、入試の応用問題には太刀打ちできません。理科は「なぜこうなるのか」という理由や原理を理解し、その知識を現実の問題に応用できるようになることが大切です。
ある中学生の話です。化学の中和反応の実験で、結果は正しく出せたものの、実験の目的やその結果に至るまでの過程を聞かれたときに答えられませんでした。彼は化学式を覚えていたので、なんとなく答えられたのですが、なぜその反応が起こるのかを理解していませんでした。
大学入試では、こういった「なんとなく覚えている」だけでは通用しません。例えば、「なぜ中和反応が起こるのか」「その反応はどんなエネルギー変化を伴うのか」など、原理やメカニズムをしっかり理解していないと、難しい問題には対応できません。暗記だけではなく、「なぜ?」を常に意識して実験や問題に取り組むことが大事です。
今度は、高校生の話です。彼は、電気回路の問題でつまずいていました。公式は覚えていたものの、回路全体の流れやエネルギーがどこで消費されるのかを具体的にイメージできなかったのです。
私が提案したのは、回路図を丁寧に描いて、電流の流れやエネルギーの動きを自分でしっかり確認してみることです。それを繰り返すことで、単に公式を使うだけでなく、回路全体を理解できるようになり、応用問題にも対応できるようになりました。公式だけに頼るのではなく、背後にある原理をしっかり理解することが、難問突破のカギです。
理科の学習は、覚えるだけではなく、「なぜそうなるのか?」を理解することが大切です。特に大学入試では、覚えた知識をどう応用するかが求められます。「どうしてそうなるのか?」を自分で説明できるくらいまで理解を深めていくことで、理科の勉強がさらに楽しく、実力もぐんと上がります。みなさんも、ぜひ「覚える」だけではなく「理解する」学習に取り組んでみてくださいね!