こんにちは、個別指導Wam藤の木校です。
歴史を頭に入れるのって難しいですよね。特に近現代の世界はいろんな国が様々に関わりあっていて、どこが何をやったのか混乱してしまいます。「こうやればすぐ暗記できる!」というのがあるとよいのですが、かといって一つの角度から(例えば教科書の記述に沿ってのみ)覚えようとすると難解な用語も多いし何より退屈なのも確かです。
そんなときは別の角度からの解説を聞いてみてはどうでしょう。別に「これで簡単に覚えられる!」というわけではないですが、頭を整理する機会になりますよ。
今回はひときわややこしい世界大戦の国の変遷、およそ1900年から2000年までをざっと見てみましょう。
世界大戦の前、日露戦争から見ていきます。ロシアは当時広大な土地を手中に収めていましたが、「凍らない港」がないことが不満でした。そこで地中海の港を手に入れようと、バルカン半島あたりを狙いますが、主にイギリスによって阻まれていました。じゃあ仕方ない、西(バルカン半島)がダメなら東に行こうと、ウラジオストクから朝鮮半島への鉄道の整備を進めていました。
それで危機感を抱いたのは日本です。ロシアの南下を食い止めるべく、ロシアに対して同じ立場のイギリスと日本は日英同盟を締結。そのとき起こったのが日露戦争(1904-05)です。
日露戦争は総力戦や化学兵器の使用もされた点から「第0次世界大戦」と言われているそうです。結果、まあロシア国内での専制政治への不満などで対外戦争してる場合じゃなくなったのもあるのですが、経緯はともかく一応日本の勝利。
結果(だけ)を知ってアジア・アフリカ諸国ではどよめきが起こったほか、ヨーロッパでも「白人こそが優れた人種」と思い込む帝国主義に疑問符がつき始めました。
中でもイギリスにとっての脅威は、日露戦争前はロシアとフランスでしたが、戦争後は海軍が壊滅したロシアは脅威でなくなり提携。またフランスとも、急速に工業化しているドイツの方が脅威に思って提携しました。これが三国協商です。
一方のドイツは、その時すぐ南にあったオーストリア=ハンガリー帝国とイタリアとの間で三国同盟を締結。三国協商と三国同盟は勢力が均衡していました。
そのときバルカン半島では、もともとあったオスマン帝国が弱体化していて、ほとんど無政府状態にあるところを、オーストリア=ハンガリー帝国と、日露戦争前から狙っていたロシアとがにらみ合いをしていました。
その状況下、オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者をセルビア人が暗殺。やりやがったなと、オーストリア=ハンガリー帝国はセルビア(バルカン半島にあった国)に宣戦布告。そこに、セルビアを同じく狙っていたロシアが、抜け駆けすんじゃねえと参戦。オイちょっと待てと、三国同盟を結ぶドイツも参戦・・・と各国が次々に参戦となりました。これが第一次世界大戦です。
ところが1917年ロシア革命が起き戦争から離脱、ソビエト連邦(ソ連)ができる。代わりに日本とアメリカが協商側に参戦しました。
協商側の勝利で終わったものの、戦場になったヨーロッパは「戦争はもうこりごり」と、一次大戦前から揺らいでいた帝国主義を次々とやめていきました。さらに、「それぞれの民族がそれぞれの国をつくる」という民族自決の機運が高まった結果、東欧諸国は独立してバラバラになりました。また、アメリカの提案で国際連盟もできました。
とはいえ民族自決の適用はヨーロッパだけで、アジアやアフリカは適用外。国際連盟の枠組みの中でも依然として植民地支配が続いていました。そんな中、世界で唯一、まだ帝国主義を維持していた日本が1931年満州事変、翌1932年満州国独立宣言をし(てしまい)ます。
そのとき欧米諸国なりアメリカなりが「オイ何やってんだ、ちょっと待てよ」と抑えていればよかったのですが、1929年からの世界恐慌で各国ともそれどころでなくて、日本の勝手のまま放置し(てしまっ)たのです。
これをみたイタリアが、「オイ見てみろ、軍事侵攻してもどうせ国際社会は見て見ぬふりだゼ」と1935年エチオピアに侵攻、ドイツも1938年オーストリアを併合、と続きました。何やってんだコラ、と各国が連合してこれらを抑えなきゃ、としたのが第二次世界大戦です。
結果連合国側の勝利、その連合国同士でつくったのが国際連合です。
ですが、戦時中ドイツに占領されていた国などが次々と社会主義国に変わった結果、民主主義国と社会主義国とが対立、ドイツは東西に分断されたままで東西冷戦に突入していきます。
冷戦は二次大戦後45年間も続き、1990年にようやく東西ドイツ統一、1991年ソ連崩壊に至ります。冷戦が終わりやれやれ世界は平和になった、と思ったら・・・そこからは2000年以降の歴史、となります。
いやいや、かなりはしょったつもりですが、やっぱりややこしいですね。教科書や資料集、参考書などで確認し、頭を整理する機会にしてください。
【参考】