こんにちは、個別指導Wam藤の木校です。
田植えの季節ですね。あちこちの田んぼに水が張られ、小さなイネの苗が徐々に植えられています。今年は例年より遅いのでしょうか。4月末頃は暑かったのに、GWが終わると肌寒くなったので、そのあたり農家も迷っているのかもしれません。いずれにしても、田んぼに水が張られてカエルの鳴き声が聞こえる風景は、春だなあ、と思います。
そんな田んぼとは裏腹に、あれ?黄金色の穂をまとっているところがあります。これってなんだ?
実は麦です。麦は、晩春に収穫の時期を迎えます。だんだん暑くなってくるこの季節に、まるで秋のような収穫期を迎えるのです。
富山はコメ農家が多く、以前は麦はほとんどなかったのですが、近年ぽつぽつと麦を栽培するところが増えてきているようですね。コメだけではなかなか難しくなっているのでしょうか。
もう少し南だと、春に麦、夏~秋にコメと、同じ土地に二種類の穀物を植えて収穫することができます。いわゆる二毛作ですね。
このように春なのに秋のような風景が広がるので、「麦秋(ばくしゅう)の季節」と言われることがあります。春(初夏)なのに秋なんですね。
これと同じように、字面と季節がずれていることで有名なのが「小春日和(こはるびより)」です。
「小春」だから「春が近づいて来ている暖かい日」だろうと思っているかもしれませんが、実は「まだ冬になりきらない秋の暖かさ」が「小春日和」なのです。旧暦の10月(いまの11月)の異称なので、春には使わないでおきましょう。
また、今の季節に降る、暖かくなってきた明るい雨は「五月雨(さみだれ)」、6月に降るジメジメした雨は「梅雨(つゆ、ばいう)」と使い分けている博識豊かな人もいるかもしれません。ところが五月雨(さみだれ)は「旧暦の5月(いまの6月)に降る雨」なので実は梅雨と同じなのです。
同じような言葉として「五月雨式(さみだれしき)」というのがあります。「五月雨式」とは、「物事が一度では終わらずに、だらだらと続くこと」を意味します。
主にビジネスシーンで使われる「五月雨式」ですが、あまりよろしくない状態を表す表現なので、謝罪の言葉と組み合わせて相手の不快な気持ちを和らげるために使われます。
例えば、仕事の連絡や報告メールを送った後に続けて補足する形で追加メールを送るとき、「五月雨式に失礼いたします」と書くことにより、「何回もメールをお送りして申し訳ございません」よりもスマートな印象を与えることができます。
五月といえば「五月蝿い」という当て字のような字がありますね。何と読むかわかりますか。答えは「うるさい」です。
「五月蝿い」は文字通り、五月にハエが飛ぶ様子が由来とされます。旧暦の五月は梅雨の時期、というのは上にも書きましたが、雨が多くジメジメとした気候はハエが好む季節でもあったのです。
梅雨の時期は屋内で静かに過ごす機会が多くなります。そんな時にブンブンと羽音を立てて飛び回るハエの姿はまさに「五月蝿い」ものであったことでしょう。そんなことから、「うるさい」という言葉にこれらの漢字が当てはめられたとされています。
日本語は季節にまつわる表現が豊かで面白いといえばそうですが、よくわかっていないと恥をかくことにもなり、面倒くさくもありますね。
そろそろ中間テストです。直前で慌てないよう、早めに準備しておきましょう。
【参考】