「14歳からの読解力教室: 生きる力を身につける」
大塚美輪著
この本は、読解力を身に付けるためのお手本のような一冊です。
そもそも私たちがどのように文章を理解しているのか、それはAIの理解の方法とどう違うのか、
といった部分からしっかりと、「読解」というものを教えてくれます。
かなり基本的なレベルから、 私たちはどのように文章を読んで、理解して、覚えているのか、
ということを、 対話形式の読みやすい形で提示されています。
基本的にこの本に載っている内容は、すでに私たちが国語の授業で学んできたことです。
例えばこの本では「明確化」という言葉が何回も登場し、「コレ・ソレなどが何を指しているかはっきりさせる」
「あいまいな表現を、つまりどういうことか言い直す」「自分の言葉で言い直す」という訓練として紹介されています。
書いてある内容を明確化する訓練が、読解力を身に付けるうえでも必要になってくる、ということです。
これは、国語の授業やテストでも出てきた内容ですよね。
「これは何を指すのか答えなさい」「選択肢のうち、どれがこの文のまとめにふさわしいですか」
といった問題を解いたことがある人は多いと思います。
この問題は、読解力を付けるために必要な方略だったのだ、と説明されています。
このように、私たちが今まで学んできたことにどのような意味があるのか。
そして読解力の身に付け方に関して、新しい視点を提供してくれる本なのです。
当たり前のように私たちが実践していることだけれども、そのことは実はとても大事なものだったのだ、
ということに気付かせてくれる一冊です。
是非、一読ください。