教室ブログ

2024.03.11

2024年 灘高等学校 入学試験 解説・所感

こんにちは、川越駅前校です。

本日は男子最難関高校の入試を紹介します。

2024年 灘高等学校 入学試験

制限時間は110分で受験生平均は53点だそうです。

例年通りの3枚6題構成で、

1.小問集合(数と式・方程式・図形・資料の活用)

2.数と式

3.比例と関数

4.図形

5.図形

6.図形

となっています。

答えのみを問うものと考え方を要するものが存在しますが、前者だから簡単というわけではもちろんありません。

 

1.平方根の小数部分、方程式の性質、図形の折り目、ビンゴができる場合の数がテーマの小問集合です。(1)から(3)までは基本的なのに対し、(4)の場合の数はやや手間がかかりますし、安易に考えると失点してしまいます。重複に気をつけた数え上げができることが必要です。

 

2.この学校ではおなじみの文章題です。見た目はよくある売買に関するものですが、文字が多く計算量も非常に多い難問です。ここの受験生でも戸惑った生徒さんは多かったのではないでしょうか。誘導式とはいえ(1)から答えまでの道が長いので、よほどの自信がない限り初めは飛ばしてもよかったかもしれません。

 

3.第2問が難しかったのに対し、こちらはごく基本的な出題です。唯一気をつける点があるとすれば長さを表す式の計算くらいで、それ自体も非常に易しいです。この分野の基礎すべてが詰まっている良問なので、この学校の受験生はもちろん、中学生であればぜひとも解いてほしい1問です。

 

4.第3問が易しいと思えば、今度はまた難問が登場します。しかし第2問とはちがい、最初の2題は易しいのでこれらだけ得点できれば充分です。最終問題は、上記のヒントから答えを導きだすことが要求されているのですが、求める面積自体は簡単でもその図を断定するまでが難しいです。

 

5.前問が難しかったと思えば、また易しめの問題に戻ります。立体の計量も容易なら、切り札であるはずの最終問題も大変な計算はいっさい出てきません。本来のrは分母が平方根を2つと有理数の和になるのですが、この有理化をしなくてもいいという出題です。かつて早稲田大学高等学院が出題しましたが、この学校の受験生であればその有理化もできることが望ましいです。

 

6.昨年は図形の論証が姿を消したので驚きましたが、今年度は無事復活・通常運転に戻ったようです。それでも特段の知識を求めるものではありません。むしろ図形の基本がどれだけ身についているかを問うている良問で、難度もごく基本的です。内接円と円周角、中点連結定理、三角形の合同、これらを理解していれば充分対応が可能な内容でした。

 

問題によって難度にかなりの差があるので、解きやすいものを見出すことも必要です。

110分という時間は長いようで意外に短いもの。うまく使いきる戦術も問われているのではないでしょうか。

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