前回、前々回と英単語は小中学レバル含め2千語マスターで大学入試出題英単語の80%がカバーできること(パレートの法則)、および英単語と英熟語は違うこと、そしてその違いをふまえたうえで英熟語を覚えた方がより効率的ということを述べてきた。
では英単語はどうやって学習するのがよいのだろうか?英単語集は不要なのか?
その問いに答える。
まず英単語の学習は「その都度法」で充分である。その都度法とは例えば長文読解問題はもちろん、文法問題などを解いていて、答え合わせをしたときに
(この単語の意味さえ分かっていれば解けたのに!)という単語を「その都度」覚えていくというやり方である。
この場合、記憶作業に(強い)感情が伴うのでより効率的に覚えられる。漠然と単語を覚えるよりは遥かに効率的である。そして「その都度法」で覚えた単語はノートなりPCにまとめておけば正に自分だけのオリジナル単語帳が出来上がる。受験直前期には市販の単語集なんかよりもこちらを総復習した方がよい。理由は実際にやってみればわかる。
では市販の単語集は不要かというと実はそんなことは全くない。その都度法で覚えた単語が英単語集に掲載されてるのを確認して(重要な単語なんだな)と認識することはいっそうの記憶の強化を促す。ただし英単語集で単語のみを覚えることは推奨しない。しかしせっかく持っている単語集をわざわざ捨てることもない。前述のその都度法チェック以外は、英単語集など使わなくてよい。英単語集を本格的に使うのは本番の一か月前になってから、早くてクリスマスを過ぎてからでよい。巻末の索引をきちんと確認して自分の知らない単語、見たこともないけどしかし単語集には超重要なんて載ってる単語をチェックしていくのである。その都度法で覚えた記憶があるにも関わらず意味が思い出せない単語があったら、何はさておきすぐに覚えなおす。単語集で初めて見るけど(これは覚えておいた方がいいかな?)というものがあれば、ためらうことなく覚える。受験勉強開始時と比べて早く覚えられることに驚くはずだ。これは加速現象(加速学習)といって実は英語に限らず語学は中国語でもイタリア語でも、その言語の単語その他の記憶の蓄積が一定レベルを超えるとその言語の記憶が高まる。まさに英語が英語をよぶのであるが、そうなると英語の偏差値は一気に伸びる。話を戻してだから
英単語集は実は英単語を覚えるためではなく、直前期に知らない単語をチェックするために使うのである。
覚えるために使うのは実は英熟語集であり、その方が短期間で点数も伸び、しかも単語より数が少ないのでやる気が持続する。
旺文社から英単語ターゲット1900なんて出てるが、的外れターゲットなど揶揄されることもあるが、単語と熟語、両者の性質の違いを理解してから学習に臨まないと本当に的外れになってしまう。
漢字も古文単語もその都度法でいいだろう。いけないのは、例えば学校の朝の小テストで満点をとってとり続けてそれで勉強した気になる自己満足だ。お互い気を付けよう。
※ちなみに「その都度法」とは簿記で実際に出てくる仕訳の方法だが、内容はともかく英単語への対処法をズバリひと言で表現するには最適と考える。ちなみに簿記はbookkeepingという。覚えたければどうぞ。
※※「英単語集は覚えるためでなく(直前期に)知らない単語をチェックするために使う」
繰り返しになるが、これを間違えないように。覚えるなら英熟語、英単語はその都度法で充分である。