【国際連合】
WWⅠ後に設立された国際連盟は、
①超大国アメリカが不参加
②武力行使できない
という弱みがありました。そこで、
①超大国アメリカが参加
②武力行使できる
国際連合がWWⅡ後に設立されました。
安全保障理事会の常任理事国は
WWⅡの戦勝国である米英仏ソ中、
拒否権を持ちます。
【国際経済秩序】
ドルを基軸とする国際経済体制です。
超大国のアメリカが、
世界でいちばん信用できる「ドル」と
金の交換を保証しました(兌換紙幣)。
そして「固定為相場制」にして
世界経済の安定を図りました。
IMF(国際通貨基金)と
IBRD(国際復興開発銀行)が発足。
しかしアメリカがベトナム戦争で疲弊、
1971年に金とドルの交換を停止
(不換紙幣)しました。
その後世界経済は
「変動相場制」に移行します。
また貿易に関しては、
「ブロック経済」=保護貿易が
ファシズムを招いた反省から、
自由貿易が推進されました。
GATT
(関税と貿易に関する一般協定)、
のちWTO(世界貿易機関)が発足。
【冷戦のはじまり】
日本に勝ったアメリカと、
ドイツに勝ったソ連が、
世界の2大勢力になりました。
直接対決(熱い戦争)はせず、
核を抑止力ににらみ合う
「冷たい戦争」が約半世紀続きます。
ファシズム vs 反ファシズムの後は、
資本主義 vs 共産主義の戦いです。
アメリカを盟主とする西側陣営は、
マーシャル=プランと
北大西洋条約機構。
ソ連を中心とする東側陣営は、
コメコンと
ワルシャワ条約機構。
【代理戦争①朝鮮戦争】
日本の支配から解放された朝鮮は、
米ソにより分断統治されます。
北朝鮮は親ソ連で社会主義、
朝鮮民主主義人民共和国として独立。
南朝鮮は親アメリカで資本主義、
大韓民国として独立。
北朝鮮が半島統一を目指し韓国に侵攻、
朝鮮戦争が勃発します。
北朝鮮を中国が、
韓国をアメリカが支援、
北緯38度線で休戦協定が結ばれます。
日本は朝鮮戦争により、
経済的には「特需」つまり大好況に。
軍事的にはアメリカにより再軍備。
出来たばかりの平和憲法(日本国憲法)
と早速矛盾が生じます。
そして日本はその後
「サンフランシスコ平和条約」で
アメリカによる間接統治から独立。
さらに日米同盟(日米安全保障条約)を
締結、米軍の日本駐留が継続されます。
【雪解け】
冷戦は緊張と緩和を繰り返します。
⇒朝鮮戦争(緊張)
⇒独裁者スターリン死去(緩和)
⇒キューバ危機(緊張)
⇒米ソ核軍縮(緩和)
⇒ベトナム戦争(緊張)
⇒米ソ戦略兵器制限交渉(緩和)
⇒アフガン侵攻(緊張)
⇒ペレストロイカ(緩和)。
スターリンが死に、後任フルシチョフが
西側諸国と平和共存を模索します。
アジア=アフリカ会議も開かれ、
特に1960年は
「アフリカの年」と呼ばれ、
17か国が独立を勝ち取り、
米ソどちらにも属さない
「第3世界」の形成が模索されました。
しかしチベットを巡り
中国とインドが対立、早くも暗礁に。
【キューバ危機】
アメリカと目と鼻の先にあるキューバで
社会主義革命が起こります。
そのキューバに、ソ連の援助で
ミサイル基地建設が始まります。
アメリカが激怒、
核戦争(第3次世界大戦)開始か、
と一触即発状態に。
ソ連が譲歩しなんとか回避されます。
その後、
米ソのホットライン(直通電話)開通、
部分的核実験禁止条約、
など、冷戦はまた緩和に向かいます。
中国はソ連の譲歩に不満、
中ソ対立が生じます。
フランスも独自外交を模索し、
NATOの軍事部門から脱退します。
このように、東西両陣営とも
だんだんと一枚岩ではなくなります。
【代理戦争②ベトナム戦争】
そのフランスの植民地であった
インドシナのベトナムで
「ホー=チ=ミン」という英雄により
社会主義革命が起きます。
東南アジアがドミノ倒し的に
共産主義化することを恐れたアメリカが
ベトナムに軍事介入し
南部に親米政権を樹立、
ベトナムは東西に
分断されてしまいました。
社会主義で親ソの北ベトナムに対し
アメリカは「北爆」を開始。
しかしテレビを通じた反戦運動の高揚、
ベトナムのゲリラ戦に苦しみ、
10年近い泥沼の長期戦を経て、
アメリカは建国以来初めて
対外戦争で敗北します。
ちなみにベトナム戦争の最中、
アメリカのニクソン大統領は、
ベトナム戦争を終わらせるため、
北ベトナムを支援しているであろう
中国を電撃訪問し、
国交を回復しています。
また、経済的に行き詰まった
アメリカは金ドル兌換を停止します
(ニクソン=ショック)。
【ソ連のアフガン侵攻】
ベトナム戦争後、
再び「デタント」と呼ばれる
緩和の時代が到来します。
米ソによる、核ミサイルなどの
戦略兵器制限交渉などが行われます。
イラン革命の影響で、
アフガニスタンでも
イスラーム原理主義の
ゲリラが台頭します。
親ソ政権を支援するため、
ソ連はアフガニスタンに侵攻します。
これに対しアメリカはゲリラ側を支援。
そのゲリラの中には、
なんとのちの同時多発テロの
首謀者・ビン=ラディンもいました。
アメリカは20年後に、
自らが育て、対ソ連に利用した
ビン=ラディンに復讐されます。
【冷戦の終わり】
アフガニスタン戦争の戦費、
アメリカとの軍拡競争にかかる軍事費、
東欧諸国への干渉にかかるコスト、
などでソ連は破綻寸前でした。
そこにゴルバチョフ大統領が登場、
①ペレストロイカ(改革)
⇒市場経済の一部導入
②グラスノスチ(情報公開)
⇒チェルノブイリ原発事故処理
③新思考外交
⇒政党・東欧との関係改善
を展開、アメリカのブッシュ大統領と
マルタ会談を行い、冷戦が終わります。
ソ連は崩壊、ロシア連邦へ。
【ヨーロッパ】
中国・朝鮮と同様、
ドイツも2つに分断されます。
西がドイツ共和国、親米。
東がドイツ民主共和国、親ソ。
特に東ドイツの首都ベルリンの西側は
まさに「陸の孤島」でした。
そして東から西への逃亡を防ぐため、
冷戦の象徴である
「ベルリンの壁」が建設されます。
ちなみにWWⅠ・WWⅡとも、
英仏と独の資源を巡る争いでした。
この反省から、
「ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体」が発足、
石炭と鉄鋼が共同管理されます。
そしてこれが
「経済共同体」「原子力共同体」
「ヨーロッパ共同体」を経て、
ついにEU(ヨーロッパ連合)となり、
米ソに対抗しうる第三極となります。
現在のEUの中心はドイツ。
近年、イギリスが離脱しました。
【パレスチナ】
イギリスの3枚舌外交に従って、
ユダヤ人がパレスチナに
イスラエル王国を建国。
もともと住んでいたアラブ人との間に、
4次に渡る「中東戦争」が勃発します。
第4次中東戦争では、アラブの国々が、
親イスラエルの国々にダメージを
与えるため石油価格の値上げを断行、
1973年に
「第1次石油危機」が発生します。
1979年にはイラン革命を契機に、
「第2次石油危機」が発生します。
「金ドル兌換停止」なども相まって、
先進国の多くは「低成長」時代に。
「大きな政府≒社会民主主義」から
「小さな政府≒新自由主義」へ。
イギリスはサッチャー、
アメリカはレーガン、
日本は中曽根康弘。
【イスラーム世界】
<イラン革命> 1979
親米政権が倒れ、シーア派政権誕生。
<イラン=イラク戦争> 1980
隣国イラクのスンナ派のフセインが、
米ソの支援を得てイランに侵略、
結果は引き分け。
<湾岸戦争> 1991
イラン=イラク戦争で
負債を抱えたイラクが反転攻勢を期し
隣国クェートに侵攻。
イラン=イラク戦争では
フセインを支援していた米ソは一転、
国連多国籍軍でフセインを攻撃、勝利。
しかし穏健派と言われた
アメリカのブッシュ大統領(父)は、
フセイン政権の存続を許しました。
<同時多発テロ> 2001
ビン=ラディン率いる
イスラーム原理主義の
国際組織「アルカーイダ」が
アメリカに対し起こした自爆テロ事件。
<アメリカのアフガン空爆> 2001
アメリカのブッシュ大統領(子)は、
ビン=ラディンを匿っているとし
アフガニスタンを空爆、
アフガニスタン土着の
イスラーム原理主義組織である
タリバン政権を崩壊させました。
<イラク戦争> 2003
さらにはイラクのフセインが
大量破壊兵器を隠し持っているとし、
アメリカはイラクに侵攻し、
ブッシュ大統領(子)は、
ブッシュ大統領(父)が延命させた
フセインをついに処刑。
しかし大量破壊兵器は見つからず、
今もなお、
戦争の大義に疑問が持たれています。
【中国】
中国ではWWⅡ後、
国民党と共産党が再び内戦を開始。
共産党が勝利し、
毛沢東が「中華人民共和国」を建国、
ソ連に次ぐ社会主義国家の誕生です。
一方敗北した蒋介石は台湾に逃れ、
「中華民国」を建国しました。
<毛沢東>
経済政策「大躍進」を実施、
数千万人規模の飢餓者を出し失脚。
政治闘争「文化大革命」で
巻き返しを図るも、大粛清。
<鄧小平>
政治は共産党の一党独裁、
経済は資本主義を一部導入。
GDPを2倍にするも、
天安門事件で民主化運動を大弾圧。
<江沢民>
続・経済路線。
中国を「世界の工場」にする。
北京オリンピック・上海万博招致。
<胡錦涛>
続続・経済路線。
中国を世界第2位の経済大国にする。
<習近平>
毛沢東以来の絶対権力。
党総書記・国家主席・軍事委員会主席
の3つのポストを独占。
鮮明な覇権主義・教条的共産主義回帰。