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2023.04.21

教室長から見た、それぞれの合格ストーリー③

Oくん

合格高校:那須拓陽高校 生物工学科

受講科目:5教科総合

入塾時期:中3 11月頃

入塾時の実力テスト:(5教科)164点

最後の実力テスト:

(5教科)235点 ※自己最高

一般選抜試験:(5教科)218点

 

Oくんは少し離れた西那須野地区の中学校に通っていましたが、自分の性格と当塾の雰囲気が合っていると感じてくれ、入塾していただくことになりました。中3の11月からとなると、入塾を断られる塾もありますが、当塾ではそのようなことはありません。もちろん、受験までの時間が残り僅かとなり、生徒の現状と目標があまりにもかけ離れている場合、現実的なアドバイスはします。しかし、生徒の目標を尊重し、こちらもできるだけの協力をしたい、という考えを持っています。

Oくんは入塾当初の点数が150~160点台。勉強も全くしていない、家では勉強ができないという状態でした。しかし、仲の良かった先輩達ともう一度同じ部活に入りたいという気持ちから、黒磯南高校を志望していました。その時点の進路調査で、黒磯南は1.38倍という高い倍率だったので、合格できる点数を取るためには相当頑張らないといけません。本人もそれは自覚していましたが、意思は固かったので、月曜から土曜、毎日塾に来ようという話をしました。基本的に数学と英語の授業をし、それ以外の教科は自習に来という形です。

授業の様子を見ると、どの教科も単純に勉強不足で、逆に言うとどの教科も伸びしろがあると感じました。そのため、Oくんの場合は、5教科を総合的に学習するという判断に至ったのです。

数学はとにかく基本的な計算を行いました。数学が苦手な生徒は、小学生の算数ができていないという傾向が多く、実際Oくんも、分数の計算や割合といった、小学生の算数の復習が必要な状況でした。Oくんとは数学30点を目標に頑張ろうという話をし、2~3時間ほどの授業を週2回のペースで行いました。一般選抜試験の結果は惜しくも28点。あんなに頑張ったのに、という捉え方もできますが、それだけ数学は短期間でどうにかするのが難しい教科だということです。

英語も数学と同じように、短期間で著しい点数の伸びは難しい教科です。さらに、数年前の中学英語に比べて、現在の中学英語は、学習指導要領が変わったことでかなり難しくなっています。Oくんとは、英語に関しては現状維持の40点前後を目標にしました。結果は38点だったので、まずまずの結果だったと思います。

数学・英語の点数は、短期間では上げづらい。ならば、その他の教科でなんとかするしかありません。理科は、実験や現象など理解に時間がかかる単元が多い教科ですでが、用語の暗記や電流の計算など、「これさえ覚えておけば…」という内容を優先的に、時々私が口を挟みながら、自習という形でやってもらいました。理科の結果は35点。入塾時からは約10点上がったという結果でした。

では、Oくんがどの教科で点数を稼いだかと言うと、国語と社会です。

国語は、入塾時30点前半でした。それが、最後の実力テストでは77点。一般選抜試験では67点という点数になりました。元々漢字は得意としており、ほぼ満点を取っていましたが、それに加えて記述式の問題と作文でしっかり点数が取れるようになっていきました。しかし、国語の学習は特にしていません。塾でも授業はしておらず、本人にも国語に勉強を時間を割くより、他の教科に時間を回そうと伝えていました。その判断は間違ってはいなかったと思います。ではなぜ、こんなにも国語の点数が伸びたのか。私が考えるに、①教科に限らず、文章を読みそれを理解しようする行為を繰り返したことで、読解力が身についた。②特色選抜対策で作文をたくさん書いたことで、文章を書く力が身についた。これらの2つが理由なのではないかと思っています。特色選抜にも挑戦したOくん。残念ながら合格内定とはいきませんでしたが、それによって得た文章力は一般選抜でも活かせる形となったのです。

そして、社会の点数が入塾当初30点台だったのが、最後の実力テストでは70点。一般選抜試験では53点という結果になりました。社会はとにかく、用語の暗記と過去問に取り組んでもらいました。文章力が上がったことで、記述式の問題もしっかりと答えられるようになりました。

最終的に、黒磯南高校の倍率と現状の点数を考え、自らの意思で志望校を那須拓陽の生物工学科に変更する決断をしました。その後、あれだけ人気だった黒磯南の倍率は、1.08倍に落ち着きました。ですが、それはあくまで結果論で、「もし~だったら」と考えだしたらキリがありません。目標に向かって頑張り、自分で自分の進路を決断したということに意味があります。実際、入塾時の面談で決めた、週6で塾に来るという計画もしっかりと遂行しました。よく頑張ったと思います。Oくんのお母さんも大変だったと思いますが、「本人が行きたいと言うなら、応援するのみです」と、毎日送迎していただきました。ご協力本当に感謝しています。

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