Kさん
合格高校:宇都宮白楊高校 服飾デザイン科(特色選抜)
受講科目:英語
入塾時期:中3 7月下旬
入塾時の実力テスト:
(英語)27点 (5教科)300点
最後の実力テスト:
(英語)64点 (5教科)323点
Kさんが入塾してくれたのは、7月の下旬でした。
おとなしい性格のKさんは、当塾の落ち着いた雰囲気を気に入ってくれたようです。お母さんは、「人見知りで、人に気を遣いすぎてしまったりするんです。」と仰っていましたが、話をすると、落ち着いていて、しっかりしているなという印象を初対面の時から受けました。英語が苦手とのことでしたが、「定期テストみたいに範囲が決まっていれば覚えられるので、点数は取れるんですが…。実力テストになると分からなくなるんです…。」と、自らの現状を分析し、それをはきはきと喋っていたので、その時点で私は「この子は大丈夫だ~」と感じたのを覚えています。
まずは単語を覚えるため、授業の最初の時間に単語テストを実施するなど、少しずつ単語を覚えるという習慣をつけていきました。授業中にも定期的に単語の意味を聞き、答えてもらう、を繰り返すことで、徐々に知っている単語の数が増えていきました。
秋には、英検3級に挑戦しました。私から受検を勧めたのではなく、お父さんからの助言を受け、Kさん自らの意思で受検を決めました。元々読解力があったKさん。単語の知識が増えたことで、長文も少しずつ読めるようになり、見事合格。最初は苦手そうにしていた英作文も、“書きやすい型”を教えると、さすがの習得力で、自分なりにコツをつかみ、英作文の項目で満点近いスコアを叩き出していました。
入塾当初から「英語が苦手」と口にしていたKさんですが、英語の問題や長文に慣れていないだけで、私は「苦手ってほどじゃないと思うけどな~」と言ってきました。英検3級は、中学卒業までの英語力を必要とするレベルです。Kさんにとって、自身の英語力が十分にある、ということに気づく、良いきっかけになったと思います。実際、秋以降の実力テストでは常に平均を上回っており、以前から国語、数学、理科は優秀な成績でしたが、「英語でも平均を超えるなんて…」と驚いていました。
進路については、中3夏の時点で、宇都宮白楊の服飾デザイン科に行きたいと言っていました。自分の机にミシンがあったり、オリジナルデザインのトートバッグを作ったりするほどなので、志望の動機も明確でした。ですから、11月頃に面談で「特色選抜を受けるつもりです」と言われた時も、宇都宮白楊は毎年高倍率の県内でもかなり人気のある高校ですが、心配はありませんでした。
学校では毎日、小論文を書いては提出し、添削されて戻ってくる、を繰り返していました。しかし、一般の勉強が疎かになってはいけません。万が一のことだってあります。そのため、塾では実践練習や過去問を解くなど、引き続き一般選抜に向けた対策をしていきました。
特色選抜の試験内容は、県内の多くの高校では作文を実施しますが、一部の高校は小論文となっています。Kさんの受験する宇都宮白楊は小論文だったため、作文と小論文の違いに最初は苦戦していました。学校の対策で出されるお題が「志望の理由」や「高校に入ってやりたいこと」のような、作文っぽいテーマが多かったため、小論文のイメージがつきにくかったのだと思います。授業の合間の時間に小論文と作文の違いの話をしたり、小論文っぽいテーマが載った参考書を貸したり、特色選抜の対策でも微力ながら協力させていただきました。
実際に出された小論文のお題が「有識者に聞いた『人工知能の活用が一般化される時代で求められる重要な能力』のアンケート図をふまえ、あなたが高校生活の中でどんな能力を身につけていきたいか」だったようですが、Kさんはしっかり書けた様子でした。
3.00倍の倍率を勝ち抜き、結果は無事、合格。
ですが、本人は合格発表の当日から「一般受ける人もいるから、私もちゃんと勉強しないと」と気持ちを切り替えていました。本当に、感心させられっぱなしです。
合格後も3月末までは塾を続け、最後に、一般選抜の生徒たちが受けた英語の問題を解いてみても、やはり高い正答率。
確かな実力がついたことを証明してくれました。