【2020 概観】
評論文は開成受験生にしたら
取り組み易かったのではないか。
20分以内に終わらせ、
ほぼ満点を狙いたい。
小説は(二)がやや難しい。
こちらは15分以内に終わらせたい。
古文は(四)が難しい。
こちらも15分以内に終わらせたい。
東大より時間がキツい。
しかし桜蔭よりはマシ。
相変わらず東大を意識した
問題づくりだと感じる。
【2020】 標準 20分
<本文要旨>
「悟り」世代は、例外者を排除して、
仲間内だけの「快適な中間者の王国」
に安住するが、
「ここではないどこか」を目指して
一歩踏み出すことをしない。
それは逆に自分が例外者として
パージされないようにとの
臆病さの狡猾な偽装なのだが、
彼らはそれを
合理的で賢明な判断だと考えている。
作者は彼らのこのような
肥大化した自尊心に危惧を覚えている。
<問二 内容説明> 標準
ポイント:
「立てこもる」「正当化」
…マイナスイメージ
「悟り世代」
と呼ばれる現代の若者たちが、
「ほどほど」を約束してくれる
現状を肯定し居直り、
例外者を切り捨て、
「快適な中間者の王国」に
自閉的に自足すること。
<問三 内容説明> やや難
ポイント:
現代の若者の何がダメか
若者たちが
「快適な中間の王国」に安住し、
自分は例外者ではないとの
特権意識を持ち、
現状維持に拘泥し、
挑戦・冒険しようという
気概を失ってしまう点。
<問四 内容説明> 標準
ポイント:
「中間優越主義」のダメな理由
若者たちの「中間優越主義」は
常に排除の理論を含み、
自身がパージされる
恐怖を偽装した狡猾さと、
他者を見下すことで得られる
尊大な自尊心により
支えられているから。
【2020】 やや難 15分
<本文要旨>
直木賞受賞作。
宮沢賢治が
童話という文学形式を選んだ理由。
不健康で嫁の貰い手もなく
子供にも恵まれそうにない自分でも、
童話の創作中だけは、
強烈に憧れた父・政次郎のような
「父親」になれる感じがするから。
<問一 理由説明> 標準
ポイント:
4つの理由を過不足なく
小学校の担任が
興味を持たせてくれたこと、
妹のトシが書くことを勧めてきたこと、
苦手な大人との対話からの逃避、
不健康で子供に恵まれそうになく
その子供の代替物として。
<問二 理由説明> やや難
ポイント:
そのこと=父親のようになりたい、
そしてなぜそれを認識出来たか?
…童話創作中に気付いた
月並みな言葉では表現出来ないほどの
巨大で複雑な感情の対象であり
絶対者である父・政次郎に
強烈に憧れてはいるが
実際にはそうはなれない賢治は、
童話を創作している時だけは、
その政次郎のような父親に
なれている感覚を持てたから。
【2020】 やや難 10分
<本文要旨>
松尾芭蕉の紀行文。
枕草子の清少納言も芭蕉も、
あまりの情景の趣深さに感動して
句を詠むことが出来なかった。
<問一 現代語訳> 標準
ポイント:
直前の「昼から雨が降って」から、
現代文の倫理力・推理力で
正答に至りたい。
ウ
<問二 理由説明> 標準
ポイント:
直後の清少納言の
「詠むことが出来ない」
エ
<問三 俳句解釈> 難
ポイント:
雲が速く動く⇒月光が射す。
中3が、時間に追われ、
ラスト問題で、
一体何%の受験生が
これを正解できるのだろう。
雲が早く動き、雲間から月光が射す。
木々(こずえ)は雨を含み、
木々から雨のしずくが落ち、
そこに月光が当たって美しい。