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2023.03.21

【開成高校】国語5年分講評ー3 2020年度

【2020 概観】

 

評論文は開成受験生にしたら

取り組み易かったのではないか。

20分以内に終わらせ、

ほぼ満点を狙いたい。

 

小説は(二)がやや難しい。

こちらは15分以内に終わらせたい。

 

古文は(四)が難しい。

こちらも15分以内に終わらせたい。

 

東大より時間がキツい。

しかし桜蔭よりはマシ。

相変わらず東大を意識した

問題づくりだと感じる。

 

 

 

【2020】 標準 20分

 

 

<本文要旨>

「悟り」世代は、例外者を排除して、

仲間内だけの「快適な中間者の王国」

に安住するが、

「ここではないどこか」を目指して

一歩踏み出すことをしない。

それは逆に自分が例外者として

パージされないようにとの

臆病さの狡猾な偽装なのだが、

彼らはそれを

合理的で賢明な判断だと考えている。

作者は彼らのこのような

肥大化した自尊心に危惧を覚えている。

 

 

<問二 内容説明> 標準

ポイント:

「立てこもる」「正当化」

…マイナスイメージ

 

「悟り世代」

と呼ばれる現代の若者たちが、

「ほどほど」を約束してくれる

現状を肯定し居直り、

例外者を切り捨て、

「快適な中間者の王国」に

自閉的に自足すること。

 

 

<問三 内容説明> やや難

ポイント:

現代の若者の何がダメか

 

若者たちが

「快適な中間の王国」に安住し、

自分は例外者ではないとの

特権意識を持ち、

現状維持に拘泥し、

挑戦・冒険しようという

気概を失ってしまう点。

 

 

<問四 内容説明> 標準

ポイント:

「中間優越主義」のダメな理由

 

若者たちの「中間優越主義」は

常に排除の理論を含み、

自身がパージされる

恐怖を偽装した狡猾さと、

他者を見下すことで得られる

尊大な自尊心により

支えられているから。

 

 

 

【2020】 やや難 15分

 

 

<本文要旨>

直木賞受賞作。

宮沢賢治が

童話という文学形式を選んだ理由。

不健康で嫁の貰い手もなく

子供にも恵まれそうにない自分でも、

童話の創作中だけは、

強烈に憧れた父・政次郎のような

「父親」になれる感じがするから。

 

 

<問一 理由説明> 標準

ポイント:

4つの理由を過不足なく

 

小学校の担任が

興味を持たせてくれたこと、

妹のトシが書くことを勧めてきたこと、

苦手な大人との対話からの逃避、

不健康で子供に恵まれそうになく

その子供の代替物として。

 

 

<問二 理由説明> やや難

ポイント:

そのこと=父親のようになりたい、

そしてなぜそれを認識出来たか?

…童話創作中に気付いた

 

月並みな言葉では表現出来ないほどの

巨大で複雑な感情の対象であり

絶対者である父・政次郎に

強烈に憧れてはいるが

実際にはそうはなれない賢治は、

童話を創作している時だけは、

その政次郎のような父親に

なれている感覚を持てたから。

 

 

 

【2020】 やや難 10分

 

 

<本文要旨>

松尾芭蕉の紀行文。

枕草子の清少納言も芭蕉も、

あまりの情景の趣深さに感動して

句を詠むことが出来なかった。

 

 

<問一 現代語訳> 標準

ポイント:

直前の「昼から雨が降って」から、

現代文の倫理力・推理力で

正答に至りたい。

 

 

 

<問二 理由説明> 標準

ポイント:

直後の清少納言の

「詠むことが出来ない」

 

 

 

<問三 俳句解釈> 難

ポイント:

雲が速く動く⇒月光が射す。

中3が、時間に追われ、

ラスト問題で、

一体何%の受験生が

これを正解できるのだろう。

 

雲が早く動き、雲間から月光が射す。

木々(こずえ)は雨を含み、

木々から雨のしずくが落ち、

そこに月光が当たって美しい。

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