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2023.03.19

【開成高校】国語5年分講評ー1 2022年度

【2022 概観】

 

高校入試最高峰の開成。

中学入試最高峰の桜蔭同様、

東大および共通テストを意識しまくり。

開成高校にご合格する時点で、

すでに共通テストで6割程度、

東大入試で4割程度は

得点出来そうな予感。

 

桜蔭に比べればやや時間はマシだが、

それでもやはり

見直しや書き直しの時間は

ほぼないと考えたほうがいい。

東大国語のほうが

よっぽど時間に余裕がある(汗)。

 

古文は「助動詞」「古文単語」の

学習には深入りせず、

何とか「現代文の力」で乗り切りたい。

 

本年度は、

大問二(評論文)は

完全に大学入試レベル。

大問三(古文)の(二)(三)も

同じく大学受験レベル、

時間がないのもあり、大変厳しい。

 

なお、字数指定がない記述問題は、

東大に合わせ、80字程度で作成した。

 

 

 

【2022】 標準

 

 

<本文要旨>

主人公の伊智花は絵が大好きな高校生。

「被災地に希望を与える絵画展」で、

作品そのものではなく、

大震災と作者の高校生を関連付け、

そこに意図的に

人間ドラマを見出そうとする

審査員に苛立つ伊智花。

しかし最後まで自身の哲学を貫き、

時代や周囲の期待するものに惑わされず、

自分の好きな絵を描き、

自分の好きな絵を自分で愛した伊智花。

 

 

<問一 心情説明> 標準

ポイント:

うれし涙の理由=承認

 

審査員は気付いてくれなかった、

絵の構図や完成までの努力を、

顧問の美香ちゃんはしっかり

見てくれていたことに対する、

うれしい、報われたという気持ち。

 

 

<問二 心情説明> 標準

ポイント:

「やっぱり」=今回もまた

「絵じゃないんだ」=じゃあ何?

 

ニセアカシアの時と同様、

今回の最優秀賞に於いても、

審査員は作品それ自体ではなく、

震災と高校生を関連付けた

色眼鏡で作品を見ていることに

失望を感じている。

 

 

<問三 心情説明> やや難

ポイント:

周囲ではなく自分が自分を承認する

 

希望や絆を求められる震災後の今は

受け入れられにくい

私の「滝の絵」だが、

私の想いと努力が詰まった絵なので、

せめて自分だけは自分の絵を

愛してあげたいと強く思う心情。

 

 

 

【2022】 やや難

 

 

<本文要旨>

<問三>参照

 

 

<問二 理由説明> やや難

ポイント:

「逆説」のわかりやすい説明

 

天下無敵になるために

敵概念を拡大することは

一見矛盾のように感じられるが、

敵概念を拡大することで

人はパフォーマンスの

低下リスクを軽減できるので、

結果その人は天下無敵に

近付くことが可能になるから。

 

 

<問三 内容説明> やや難

ポイント:

本文全体要旨

 

天下無敵とは

敵がそもそもいない状態を

目指すことであり、

人間が複雑化するために

環境に応じ自身を進化させるべく、

自身の創意工夫により

敵だった人や物事を倒すことなく

敵性解除することを

目指すことだということ。

 

 

 

【2022】 難

 

<本文要旨>

老爺に化けた狸、退治されて憐れむ。

 

 

<問一 理由説明> やや難

ポイント:

なぜ狸は今夜は来ないのか

 

ここ最近

迷惑をかけていたと思われる狸は、

今朝薮下で、

里人によって捕えられたから。

 

 

<問二 理由説明> 難

ポイント:

なぜ狸を弔ったのか

 

毎夜淋しい思いをして

老爺に化けていた狸を、

自分と狸は、

現世にとどまらない

縁でもきっとあったのだろうかと、

哀れに思ったから。

*「かりそめならぬ契り」

=「前世からの因縁」は

正確に解答に盛り込むのは難しい。

 

 

<問三 心情説明> 難

ポイント:

秋の暮=秋の夜長の淋しさ

 

狸だって化けて出るほどに、

秋の夜長は独りで過ごすには

淋しいものであるが、

今はその狸を弔ったので、

きっと狸も仏になっただろうと、

狸の冥福を祈る気持ち。

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