教室ブログ

2023.03.16

【桜蔭】国語5年分講評ー3 2020年度

【2020 概観】

 

2018⇒2022の5年間で

難易度最凶の年。

 

評論文。

(一)は、

本文に書いてないことを「想像」

しなければならず激ムズ。

東大受験生でも半分くらいしか

正答出来ないだろう。

(四)も、

「コペルニクス的転回」は、

並の大学受験生は知らない。

 

小説も全体的に難しい。

(三)は、

「文字が書けた」だけでなく、

「これで誰かに思いが伝えられる」

喜びまで盛り込めたかどうか。

(四)は、

「辛い時は文字を見て

私たちを思い出して」だけでなく、

「あたしも同じ経験をしたから解るわ」

的な要素まで盛り込めたかどうか。

 

 

 

【2020】 やや難

 

 

<本文要旨>

登山とは

予定調和のスポーツとは違い、

判断と成り行きの

連続作業を必要とされる、

究極の自由を享受出来る、

旅に似たゲームである。

しかしGPSの登場で、

五感を通じての

環境との関係性の構築の

必要性がなくなり、

冒険(登山)の喜びの源泉が

失われてしまった。

 

 

<問三 想像力> 難

ポイント:

山の高さは関係ない

 

登山とは、

予定調和のスポーツとは違い、

判断と成り行きの

連続作業が必要とされる、

旅に似たゲームである。

登山の喜び(目的)とは、

そのような自由の感覚を体感出来る

「プロセス」の中にあるのであり、

高い山に登ることに自体に

意味があるのではないという思い。

 

 

<問四 内容説明> やや難

ポイント:

コペルニクス的転回=180°転回

 

人間が冒険するのは、

周囲に働きかけ、

自己存在を確認出来る喜びを

体感したいからだが、

GPSはその「働きかけ」を

奪ってしまうので、

冒険の喜びの源泉が失われてしまい、

冒険という行為そのものの本質を

侵しかねないということ。

 

 

<問五 内容説明> やや難

ポイント:

もどかしい=本質に至れない掻痒感

 

私は、

周囲の世界に五感を通じ働きかけ、

関係性を構築することで

自己存在確認の感覚を得たいのに、

GPSを使用することで、

周囲と自分の間に壁を感じてしまい、

その土地の真実の姿がつかめず、

本質(目的)に至れず

無念であるということ。

 

 

 

【2020】 やや難

 

 

<本文要旨>

まだ識字率が低かった時代の、

文字が持つ素敵な力

(人を想起する装置)について。

 

 

<問三 内容説明> やや難

ポイント:

大喜びの理由

 

夢中で覚えた一連の文字を

遂に自力で書けた喜びと、

今後は自分の思いを

他者に伝えることが

出来るようになった喜びの、

血沸き肉躍るほどの、

チャオミンの大きな感動。

 

 

<問四> 標準

ポイント:

愛しい重み=愛情の言葉の数々

 

自分を生み育んでくれた人たちから

自分への言葉の数々には、

愛情がたくさん

詰まっているということ。

 

 

<問五 理由説明> やや難

ポイント:

お母さんが短い手紙に託した想い

 

シューインが新生活で辛い時は、

文字を書き歌うことで

故郷の人々を思い出し

笑顔を取り戻せるはずだと、

チャオミンのお母さんは、

同じ経験をした

先輩として知っており、

そんな不思議な力を持つ

文字で綴る手紙を

彼女へのはなむけに

しようとしたから。

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