教室ブログ

2023.03.14

【桜蔭】国語5年分講評ー1 2022年度

【2022 概観】

 

例年、見直しや書き直しの時間はない。

ゴリゴリに6年後の東大、

および共通テストを意識した出題。

基本的には

内容説明・理由説明・心情説明、

の記述のみ、これも東大スタイル。

 

東大志願者で国語が苦手な受験生は、

桜蔭の過去問から始めたらいい。

そしてきっと桜蔭「中学校」の

過去問にすら苦戦するだろうという

悪い冗談。

 

評論文はじっくり、

小説文はスピード感を持って読む。

当然、本文を読む前に設問に目を通し、

小説は先にリード文を熟読すること。

 

時間配分は、

評論文20分、小説25分、か。

 

記述は、東大に合わせ、

いったん80字以内か120字以内で

解答することとします。

 

くしくも、2022年度は、

共通テストも桜蔭もテーマは「食」。

 

 

 

【2022】 20分 やや難

 

 

<本文要旨>

食べることには

単純な栄養摂取を超えた、

生態学的な豊かさと感動がある。

全てが貨幣経済に落とし込まれる

現代を生きる子供たちは、

今一度「もらう」「拾う」を経験し、

物を贈り合うことの

驚きと感謝を学んでほしい。

 

 

<問四 心情説明> 標準

ポイント:

食の何が「シュール」=「非日常」か

 

食べることは単なる栄養摂取ではなく、

まるでカメレオンのように、

自分の分子が食べたものの分子と

置き換わっていく過程であるのだと

気付き、その非日常性に驚く気持ち。

 

 

<問五 内容説明> やや難

ポイント:

食の何が「愉快」で「壮大」か

 

別の進化の来歴をたどってきた

動植鉱物たちの共演の場、

宇宙と生命の歴史の表現、

としての食材を食べることは、

世界の生物学的豊かさへの

感動と喜びを味わえる行為だから。

 

 

<問六 全体要旨> やや難

ポイント:

「現代」と「古き良き時代」の対比

 

私有財産と貨幣経済の価値観が

浸透した現代社会に於いて、

子どもたちは「もらう」「拾う」という

「自然から与えられる経験」を通じ、

かつての人間たちが享受していた

「互いに贈与しあう驚きと喜び」を

感じられる人間に成長していくと、

筆者は考えている。

 

 

 

【2022】 25分 やや難

 

 

<全体要旨>

俳句とヒマワリの種を通じた

友情の芽生え、

いじめの傷からの再生の物語。

 

 

<問四(1) 内容説明> 標準

ポイント:

傍線部直前のハセオを説明をまとめる

 

二つのコマが火花を散らし合うように、

私とあなたは

良いライバルかつ友人であった、

そんなあなたを失って

私は嘆いているということ。

 

 

<問四(2) 心情説明> 標準

ポイント:

コマの句とハセオの句の対比

 

ハセオは①のコマの句の作者と同様、

先日の自作の句で

ソラへの友情を表現したかったが、

自分の技術の稚拙さゆえ

逆にソラを傷付けてしまい、

悔しがる気持ち。

 

 

<問五 心情説明> やや難

ポイント:

「出るのを待っていた」=すでにあった

 

ハセオの句は、

自身のコンプレックスと

いじめられた経験を呼び覚ます、

ソラには辛いものだったが、

ハセオに悪気はなかったと解り、

また、ハセオのことを許そうとする、

友だちだと思う気持ちがすでに

自分の中にあったことにも気付き、

すっきりした気持ち。

 

 

<問六 心情説明> やや難

ポイント:

「ヒマワリの種」は何の象徴か

 

ハセオからもらった

「ヒマワリの種」から

大地のパワーの源を感じ、

自分も同じように、

ハセオとの友情を

大切に育んでいきたいと思う気持ち。

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