【2022 概観】
例年、見直しや書き直しの時間はない。
ゴリゴリに6年後の東大、
および共通テストを意識した出題。
基本的には
内容説明・理由説明・心情説明、
の記述のみ、これも東大スタイル。
東大志願者で国語が苦手な受験生は、
桜蔭の過去問から始めたらいい。
そしてきっと桜蔭「中学校」の
過去問にすら苦戦するだろうという
悪い冗談。
評論文はじっくり、
小説文はスピード感を持って読む。
当然、本文を読む前に設問に目を通し、
小説は先にリード文を熟読すること。
時間配分は、
評論文20分、小説25分、か。
記述は、東大に合わせ、
いったん80字以内か120字以内で
解答することとします。
くしくも、2022年度は、
共通テストも桜蔭もテーマは「食」。
【2022】 20分 やや難
<本文要旨>
食べることには
単純な栄養摂取を超えた、
生態学的な豊かさと感動がある。
全てが貨幣経済に落とし込まれる
現代を生きる子供たちは、
今一度「もらう」「拾う」を経験し、
物を贈り合うことの
驚きと感謝を学んでほしい。
<問四 心情説明> 標準
ポイント:
食の何が「シュール」=「非日常」か
食べることは単なる栄養摂取ではなく、
まるでカメレオンのように、
自分の分子が食べたものの分子と
置き換わっていく過程であるのだと
気付き、その非日常性に驚く気持ち。
<問五 内容説明> やや難
ポイント:
食の何が「愉快」で「壮大」か
別の進化の来歴をたどってきた
動植鉱物たちの共演の場、
宇宙と生命の歴史の表現、
としての食材を食べることは、
世界の生物学的豊かさへの
感動と喜びを味わえる行為だから。
<問六 全体要旨> やや難
ポイント:
「現代」と「古き良き時代」の対比
私有財産と貨幣経済の価値観が
浸透した現代社会に於いて、
子どもたちは「もらう」「拾う」という
「自然から与えられる経験」を通じ、
かつての人間たちが享受していた
「互いに贈与しあう驚きと喜び」を
感じられる人間に成長していくと、
筆者は考えている。
【2022】 25分 やや難
<全体要旨>
俳句とヒマワリの種を通じた
友情の芽生え、
いじめの傷からの再生の物語。
<問四(1) 内容説明> 標準
ポイント:
傍線部直前のハセオを説明をまとめる
二つのコマが火花を散らし合うように、
私とあなたは
良いライバルかつ友人であった、
そんなあなたを失って
私は嘆いているということ。
<問四(2) 心情説明> 標準
ポイント:
コマの句とハセオの句の対比
ハセオは①のコマの句の作者と同様、
先日の自作の句で
ソラへの友情を表現したかったが、
自分の技術の稚拙さゆえ
逆にソラを傷付けてしまい、
悔しがる気持ち。
<問五 心情説明> やや難
ポイント:
「出るのを待っていた」=すでにあった
ハセオの句は、
自身のコンプレックスと
いじめられた経験を呼び覚ます、
ソラには辛いものだったが、
ハセオに悪気はなかったと解り、
また、ハセオのことを許そうとする、
友だちだと思う気持ちがすでに
自分の中にあったことにも気付き、
すっきりした気持ち。
<問六 心情説明> やや難
ポイント:
「ヒマワリの種」は何の象徴か
ハセオからもらった
「ヒマワリの種」から
大地のパワーの源を感じ、
自分も同じように、
ハセオとの友情を
大切に育んでいきたいと思う気持ち。