【フロイト/ユング】
得意技:無意識/集合的無意識
活躍した時代:現代ヨーロッパ
今まで一生懸命、
理性だ経験だ実存だと言ってきたのに、
「そもそも人間は無意識に支配されているんですけど」
と言って哲学界に衝撃を与えたのがフロイトです。
人間の心は
以下の3層構造であるとフロイトは言います。
今までの哲学が扱ってきた「いわゆる意識」
=「①エゴ(自我)」、
その上に「いわゆる道徳」
=「②スーパーエゴ(超自我)」、
いちばん下に「いわゆる制御不能な無意識」
=「③リビトー(性的衝動)」。
われわれの意識(①)は、
所属するコミュニティーの規範(②)と、
動物的制御不能性(③)の間の、
常に板挟み(ジレンマ)である。
つまり、フロイトの結論はこうです。
人間の心は制御不能だ。理性など疑わしい。
ユングはこのフロイトの弟子です。
フロイトの説を発展させ、
無意識の概念を全体(集合)にまで広げました。
たとえば各地域の神話やおとぎ話は共通項が多い。
大昔で交易(コミュニケーション)がないのに。
偶然の一致にしては多過ぎる。
これは、個人を超えた人間全体を包み拘束する
「無意識」があるとするのが妥当ではないか?
とユングは考えたのですね。
上記のように、
人間の心は理性では覆いつくせません。
理性で覆いつくせると思うと傲慢になり、
ディストピア(地獄)を現出します。
現行システム(資本主義や民主主義)も同様です。
それらは人間(の理性)が創ったものである限り、
限界があるでしょう。
だからこそ絶望、ではなく、だからこそやるっきゃない。
完璧なシステムは作れなくても、
せめてよりよいシステムを目指して。
そうする(資本主義や民主主義を上手く回す)ためには、
民度(われわれ国民のレベル)を上げねばなりません。
そのためには教育なのです。