教室ブログ

2022.11.08

【倫理コラムー15】カント

【カント】

得意技:観念論(経験論+合理論!)

活躍した時代:近代ヨーロッパ

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ベーコン⇒ロック⇒バークリー⇒ヒューム、の経験論は、

究極は懐疑論(何もかも疑う)に陥ってしまう。

デカルト⇒ライプニッツ⇒スピノザ、の合理論は、

究極は独我論(理性が絶対!)に陥ってしまう。

その両者を統合したのがカントです(スゴい!)。

これを「ドイツ観念論」と言います。

すなわち、経験も理性も両方大事。

 

カントは哲学者の中でも主役級なので、

書きたいことがいっぱいあるのですが(笑)、

今回は「物自体は見えない」

ということについて絞って書きます。

 

目の前にリンゴがある(対象)から

われわれはそれが見える(認識)のではなく、

われわれはわれわれの脳の構造(認識)に従って、

世界(対象)を見ている(「対象は認識に従う」)。

すなわち、われわれは世界を「人間の色眼鏡」で

見ているに過ぎないのであり、

「世界そのものの真実の姿」を

見ている(見ることが出来ている)わけではない。

 

たとえば同じリンゴでも、

人間の目が見るのと蜂の目が見るのとでは違う。

実際、蜂は赤色が見えない、

ゆえに蜂にとっての「リンゴ」は「赤」ではない。

代わりに蜂には紫外線が見えているらしい

(逆に人間は紫外線が見えない)。

 

「世界の本当の姿は見えない」、という意味では、

プラトンの「イデア」と同じですね。

プラトンは「それはきっと認識できる」、

カントは「それは決して認識できない」、

とする違いはありますが。

 

あるいは「目の前の光景を真実だと思い込むな」

という点では、ベーコンの「イドラ」

(=偏見を捨てよ!)にも似ていますね。

 

常識や先入観を疑い、世界の本当の姿に迫る、

まさに哲学ですね。

勉強も同じです。

過去の偉人たちに学び(歴史や倫理や数学や理科)、

異文化に触れ(英語や古典)、

現在を複眼的に眺め(現代文や政治経済)、

真実(いかに人に優しく、社会に貢献できるか)に近づく。

いくつかの過去のブログでも触れていますが、

勉強は、人にやさしく出来るために、

それによって自他ともに幸せになるためにするものです。

 

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