こんにちは、個別指導WAM西取石校です。
夏休みも残りわずかとなりました。夏休みの宿題はもう終わっていますか。宿題を済ませて、休み明けの課題考査、もしくは実力考査の対策に取りかかっていることを望みますが……。
さて、今回も前回に引き続き、「助詞」のお話です。
「は」と「が」の違いです。日常において、無意識的に「は」と「が」を使い分けていますが、いざ、その違いを説明するとなると、「あれ?」と感じてしまうのではないでしょうか。小学校において、「は」と「が」が「主語」を示す言葉であると習うために、「は」と「が」は同じものだと誤解している人も多くいるように思います。
(1)「は」は、主語を示すとは限らない
まず第一に言えることは、「が」が主語を示す働きを持つのに対して、「は」は、その場における話の題目=主題(テーマ)になるものを示す働きを持つ助詞であるということです。「○○について言えば」と、以下それについて説明する時に、「は」が用いられます。
・私は、放課後にピアノを弾きます。(「あなたは放課後に何をするの」に対して)
・放課後は、私がピアノを弾きます。(他の時間帯は、他の人がピアノを弾くのに対して)
・ピアノは、私が放課後に弾きます。(トランペットはAさんが吹くのに対して)
のように、いわゆる主語だけではなくて、目的語やその他の修飾語に付くことが可能な助詞が「は」です。「ゾウは鼻が長い」のように、連体修飾語に付くことも可能です。(無主題の「ゾウの鼻が長いこと」で、「ゾウ」がテーマとして取り上げられた場合です。)
(2)「は」は、既に知っていることがらについて、新たたな情報を付け加える場合に用いる
「私のコーヒーを誰が飲んだの?」という質問に対して、「コーヒーは、田中さんが飲んだ」と答えることができます。共通の話題である「コーヒー」について、「田中さんが飲んだ」という説明がなされるのです。すなわち、「は」は、「は」の後ろが伝えたい内容であり、「は」の前は、皆が共通で知っていることがら(=共通認識)だといえます。
「私は弁護士です。」という表現は、あなたが見て既に知っている、共通認識であるところの「私」なる人物について、「あなたは刑事ですか、裁判官ですか。」と問いかけた時の返事です。
では、「私が弁護士です。」という表現は、どういうシチュエーションなのでしょうか。
そのことにつきましては、次回に繰り越します。頭の体操として、考えてみてください。