教室ブログ

2021.11.13

直感に反することは有難いことだ

こんにちは。Wam種池校の車です。

現在、中3のみなさんは理科で力学の勉強をしていますよね。力のつり合い、合成、分解など。
種池校でも力学の授業を行っていますが、みなさんなかなか苦戦しています。

何を隠そう、私も昔力学が苦手でした。
高校の物理のテストでかなり低い点数をとってしまい、どうすれば克服できるものかと悩んだのを覚えています。

力学の難しさの理由の一つが「中途半端に目に見えるから」だと私は思っています。
現象自体は観測可能です。机の上に置いた消しゴムを押せば動くし、ボールを持ち上げて手を離せば落下します。
しかし、力学の主体である「力」そのものは目で見ることができないです。
この「見えているようで見えていない」世界だからこそ、勘違いをしてしまう人が多いのだと思います。
斜面に物体が置かれた絵の問題は定番中の定番ですが、「物体に加わる力を矢印で示しなさい」「物体が動き出す前と後でその力の大きさは変化するか」「斜面の角度を大きくするとその力の大きさは変化するか」などといった問題で多くの生徒さんが間違えるのを見てきました。どれも見た目と直感に頼って答えると間違えてしまうタイプの問題です。

力学の正解は直感と反することが結構多いです。これを肝に銘じておかないと、間違ってしまいます。
そして、これこそが私の力学に対する苦手意識の理由だったのだと、高校2年生のときに気付きました。
この世に起こる現象は、力学に限らず意外と直感に反することが多いです。そのことに義務教育の中で気づくことができるチャンスが力学の勉強だったんだなと、今となっては思います。

「直感的にはわかることが理論で裏付けられる」というのが科学の喜びの基本ではあると思いますが、中には直感に反する事象を受け入れるしかないものもあります。そして、それもまた科学の魅力と思えることが、楽しくスムーズに学んでいくためには大切なのではないかと私は考えます。

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