英語の苦手な生徒と話をしていると、
「ローマ字が苦手だった」という話を聞きます。
英語学習におけるローマ字の影響には、多くの意見がありますが、
個人的には、ローマ字には、メリットとデメリットがあると思います。
「バスの綴りは、bas ではなく、なんで bus なの?」
この疑問は、まさにローマ字が邪魔をしているケースです。
確かにローマ字での「ba」は、「バ」の音になります。
「bu」なら、「ブ」になってしまいます。
また、「ボール」の綴りは、boll ではなく、正しくはball です。
「ボー」の音は、ローマ字だと「bo」だから、
boll としたくなる気持ちは、よく分かります。
しかし、英語では al が、「オー」という音を表します。
結局、ローマ字の音と英語の発音が違うときには、
ひとつひとつ、英語の綴りを覚えなくてはいけません。
なぁんだ、それならローマ字は役に立たないのか、
という結論になるかというと、そうでもありません。
なぜなら、読めない単語は、覚えられないからです。
発音できない単語は、無秩序にアルファベットが並んでいるように見えるだけです。
例えば、フランス語やドイツ語のような英語以外の単語の綴りを覚えるのは、
かなり大変なはずです。
それは、その言語の発音のルールを知らないので、読めないからです。
大事なことなので、繰り返しますが、読めない単語は覚えられません。
アトランダムに、アルファベットが並んでいるだけです。
どうしても覚えなければならないときは、
ローマ字読みを手掛かりに、発音しながら覚えることになるでしょう。
正しい発音まで行かなくても、読めないよりはマシです。
英語学習の初期の段階では、
単語の綴りを覚えるために、ローマ字は助けになってくれることがあります。
しかし、ローマ字と英語では、発音のルールが違います。
英語学習が進むにつれて、徐々に英語の発音のルールが身につき、
気が付くとローマ字のことなど意識せずに、綴りを覚えられるようになっているはずです。
ローマ字に限ったことではありませんが、
ものごとにはメリットとデメリットがあります。
ローマ字が悪いというわけではありません。
メリットを生かした学習が大切だということです。
中山校 渡辺