こんばんは、多肥校の木村です。中高生をお持ちの保護者さまから、子どもにスマートフォン(スマホ)の利用時間や利用目的などについて質問をうけることがあります。進学や環境の変化などを機にスマホを子どもに持たせている家庭は多くあります。なかには小学生でも持っている時代です。
スマホの普及率は2010年頃から年々増え今や中高生のスマホの所持率は80%を超えているといわれています。
それだけスマホの普及が加速し便利にもなりましたが、その一方で子どもにとって悪い影響や問題も多く生じています。なかには犯罪に巻き込まれるケースもあるため使い方が問われています。
では、本当にスマホは必要とされるツールなのか、それとも悪い影響を及ぼす不必要ツールなのでしょうか。
私の結論からいうと中高生にとってスマホは使い方次第で“先生”にもなりますし、“悪い影響”を与えることもあります。
“先生”となる機能は「分からないことを調べる」情報収集として、いつでも答えが返ってくるYouTubeやLINE、オンラインゲームなどの娯楽や連絡手段による利用も多くありますが、そのようなサイトには学習向けアプリや学力向上のヒントになることも事実多くあり、役に立つ情報の宝庫でもあります。生徒たちが「小さなAI先生」と話していたことを聞いて、そのものだと私は考えます。
ただ守らなくてはいけないルールはあります。
“悪い影響”となるのも個人差はありますがルールが原因ではないでしょうか。
スマホの使い方について、先日ある生徒と保護者から相談を受けました。
その生徒は高校入学を機にスマホを与えてもらったそうです。スマホを持った主な理由としては、高校進学と同時に行動範囲と交友関係が以前よりも広がったことから、親子間や友人間で連絡を取り合うためです。
お母さんは初めてスマホを持つにあたり学力への影響はもちろんですが、交友関係におけるトラブルなどの心配もしていました。
1年生の頃は気になる様子もなかったようですが、2年生になり急に成績が下がりはじめました。明らかにスマホを見ている時間が長くなっていると思い、子どもに聞いてみたそうです。すると「分からないことが増えたので、それを調べるためにスマホを利用している。」と話してくれました。では、なぜ成績が下がってしまったのか。もちろん調べものに利用もしているが、明らかに友達との連絡やインターネットを利用したゲームに使う時間も増えましたが、何より気になったことはスマホを肌身離さず持ち歩くようになったことです。お母さんも最初は思春期の子どものことと思いさほど気にしていませんでしたが、自宅にいる時も常に持ち歩き、気付けば食事の時もスマホを触るようになっていたそうです。
そのため、子どもとお母さんを交え三者面談を行い、スマホの使い方や使う時間について子どもと向き合って話をしました。さらに、その後もスマホの利用時間の指導をしたり、生徒からの悩みや疑問について話す機会を増やしたりすることで少しずつ改善されました。
今では自分からルールを決め、使い方も私から注意を促すようなことはなくなりました。
スマホは利用目的によっては中毒性のあるツールです。
私自身の経験からも自分が気になるサイトをみていても、同時に関連動画なども出てくるためつい見てしまい時間を奪われることも多々あります。そのため正しい使い方が出来ないと依存症になります。
インターネットを利用したゲームがやめられなくなったり、友達から連絡などが気になりチェックが出来ないとイライラしたりするケースもあります。
また「宿題をしていて、分からないことがあり調べものをしているとLINEが入ってきて、ついつい友達とやり取りをし(ながら)宿題をする。」など、ついつい「ながら学習」になり、そのため勉強での集中力や記憶力を低下させてしまうということもよく聞きます。さらに、スマホを過剰に利用しすぎると脳は娯楽を楽しんだ後と同じ状態になるといわれており、学習の効果が薄れる可能性があるとも言われています。
Wam多肥校ではスマホの使い方について、生徒面談や保護者を交えての三者面談においても、家庭でのスマホについて利用状況などを聞いていると、家庭でのルール決めしているご家庭の生徒は成績も上昇傾向にあることがわかりました。私からスマホのルールについて活用してほしいことは「利用する時間を決める」と「勉強中にLINEなどSNSによる通知を切る」この2つをご家庭で決めていただくようアドバイスとしてお願いしています。
ただ、スマートフォンはこの先なくなることは無いでしょう。ですが学校ではスマホの使い方は教えてくれません。正しい使い方を知らずにスマホを与えることで「悪影響」にもなり使い方次第では「先生」になるかもしれません。
私たち大人がデメリットを知っておけば、スマホが子どもに与える悪い影響を防げるだけでなく、子どもたちにとって世界中の最先端の知識に触れられる価値のあるツールの一つになることは間違いありません。