定期テストが、近づいてきました。
社会は、暗記することが多くて大変ですよね。
そこで、今回は条約を結ぶ理由を、
「挟み撃ちはイヤだ!」という観点で考えてみます。
国というのは、自由に動くことができないので、
戦争になったときには、敵を両方向から攻めようとします。
ですから、戦争をする前には、条約を結んで、この挟み撃ちを避けようとします。
具体的に見てみましょう。
1939年に世界をあっと驚かせた独ソ不可侵条約というのがあります。
当時のドイツとソ連は、メチャクチャ仲が悪く、
まさに犬猿の仲でした。
そんな仲の悪い2つの国が、「もうケンカはしないよ」と宣言したわけです。
なぜでしょうか?
これを「挟み撃ちはイヤだ!」で考えてみます。
世界地図を広げてみましょう。
左から順番に、イギリス、フランス、ドイツ、ソ連、日本の順番に並んでいます。
ドイツは、イギリス・フランスとソ連に挟み撃ちをされたくありません。
またソ連は、ドイツと日本に挟み撃ちをされたくありません。
この条約の期限は10年ですが、これがきちんと守られるなんて、ドイツもソ連も思っていません。
挟み撃ちを避けるために、一時的に仲直りの振りをしているだけです。
一時的とはいえ、ドイツは、ソ連から攻められる心配がなくなり、
すぐにポーランドに侵攻して、第二次世界大戦が勃発します。
また、ソ連は、ドイツから攻められる心配がなくなり、
軍備を増強して、来るドイツとの戦争に備えていました。
外交とは、まさに狐とタヌキの化かしあいです。
さて、この独ソ不可侵条約と似た構図を取るのが、1941年に結ばれた日ソ中立条約です。
また世界地図を広げてみます。
左から順番に、ドイツ、ソ連、日本、アメリカの順番に並んでいます。
もう分りましたね。
ソ連は、これからドイツとケンカをしようするので、日本とはケンカをしたくない。
日本は、これからアメリカとケンカをしようとするので、ソ連とはケンカしたくない。
両国の思惑が一致したということです。
一見複雑そうに見える条約の締結も、
「挟み撃ちはイヤだ!」という視点でとらえると、
分かりやすいことがあります。
ぜひ、参考にしてくださいね。
中山校 渡辺