教室ブログ

2021.05.19

【社会】挟み撃ちはイヤだ!

定期テストが、近づいてきました。

社会は、暗記することが多くて大変ですよね。

そこで、今回は条約を結ぶ理由を、

「挟み撃ちはイヤだ!」という観点で考えてみます。

 

国というのは、自由に動くことができないので、

戦争になったときには、敵を両方向から攻めようとします。

ですから、戦争をする前には、条約を結んで、この挟み撃ちを避けようとします。

 

具体的に見てみましょう。

1939年に世界をあっと驚かせた独ソ不可侵条約というのがあります。

 

当時のドイツとソ連は、メチャクチャ仲が悪く、

まさに犬猿の仲でした。

そんな仲の悪い2つの国が、「もうケンカはしないよ」と宣言したわけです。

なぜでしょうか?

これを「挟み撃ちはイヤだ!」で考えてみます。

 

世界地図を広げてみましょう。

左から順番に、イギリス、フランス、ドイツ、ソ連、日本の順番に並んでいます。

 

ドイツは、イギリス・フランスとソ連に挟み撃ちをされたくありません。

またソ連は、ドイツと日本に挟み撃ちをされたくありません。

 

この条約の期限は10年ですが、これがきちんと守られるなんて、ドイツもソ連も思っていません。

挟み撃ちを避けるために、一時的に仲直りの振りをしているだけです。

 

一時的とはいえ、ドイツは、ソ連から攻められる心配がなくなり、

すぐにポーランドに侵攻して、第二次世界大戦が勃発します。

また、ソ連は、ドイツから攻められる心配がなくなり、

軍備を増強して、来るドイツとの戦争に備えていました。

 

外交とは、まさに狐とタヌキの化かしあいです。

 

さて、この独ソ不可侵条約と似た構図を取るのが、1941年に結ばれた日ソ中立条約です。

 

また世界地図を広げてみます。

左から順番に、ドイツ、ソ連、日本、アメリカの順番に並んでいます。

 

もう分りましたね。

ソ連は、これからドイツとケンカをしようするので、日本とはケンカをしたくない。

日本は、これからアメリカとケンカをしようとするので、ソ連とはケンカしたくない。

両国の思惑が一致したということです。

 

一見複雑そうに見える条約の締結も、

「挟み撃ちはイヤだ!」という視点でとらえると、

分かりやすいことがあります。

ぜひ、参考にしてくださいね。

 

中山校  渡辺

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