教室ブログ

2021.02.26

【頭ゆるゆる小話】おっさん


「おっさん」

という言葉がある。

 

調べてみると次のように書いてあった。

 

 

 

《「おじさん」の音変化》中年の男性を親しんで、また、軽くみてよぶ語。

「隣のおっさん」「おっさんくさい格好」

 

 
 

《「おしょうさま」の音変化》和尚・僧侶などを親しんでいう語。

 

 

 

 

 

下段はともかく、通常の意味での「おっさん」は調べるまでもないくらい意味を知っている。

 

「おっさん」

 

僕は、この言葉が好きでもあり嫌いでもある。

「おっさん」

まず音の響きがいい、気がする。
ちょうどよく発音しやすく、かつひょうきんな感じがする。

口にしてみると、なぜかちょっと面白い感じがするのだ。

そんなところが好きだ。

 

一方で、嫌いでもある。

例えば、

自動車の「バス」や「トラック」

という言葉を聞くと、何となく排気ガスのにおいを思い出してしまう。

それから、あの巨体を止めるエアブレーキの排気音を思い出す。

ついでに、車酔いした時の胸がむかむかする感覚も彷彿とさせる。

 

 

これは、「バス」や「トラック」という言葉から、無意識に頭の中でそれらの姿を思い浮かべているからだろう。

そしてその思い浮かべた姿が、記憶の中の五感とつながることで、においや音といった感覚を思い出すのだろう。

「梅干しをみると唾液がでる」のと理屈が似ている気がする。

※梅干しを見ると、すっぱかったことを体が思い出して勝手に唾液がでる。

 

では

 

「おっさん」

 

はどうか。

 

僕がこの言葉を見聞きした時、思い浮かべるのは

 

「よれよれのスーツを着ている中年太りし、髪の毛がすっかすかになっている男」

 

だ。

悪く言うと清潔感がない感じがする容姿というのか。

あまり良いにおいはしないであろうその風貌。

頻繁に思い浮かべると気分が悪くなってくるような、そんな感じがする。

(※中年男性を悪く言っているわけではなく、あくまで僕のイメージの中の人物が、であることは承知願いたい)

だから、僕はこの言葉が嫌いだ。

 

ちなみに、そんな人物は知らないし、周りの人間のうちのだれか、というわけではない。

僕の頭の中にしかいない、「おっさん」という概念そのものなのだろう。

或いは、僕がそのうちその人物になってしまうのだろうか。

そうなってからでは遅いので、頭はともかく中年太りには気を付けよう……。

 

閑話休題。

 

しかし、概念だけの人物というのはまたおかしな話である。

だがそういう概念だけの人物像が、僕の頭の中には複数いて、この「おっさん」もその一人だ。

ちなみに他には、「人間」や「〇〇人」(〇〇には地域名が入る)といっ言葉にそのような人物像がある。

 

これは僕だけなのだろうか。

だれか共感できる人はいないものか。

 

ためしに検索エンジンGoogleで「おっさん」と画像検索してみた。

 

するとなぜか、俳優の志賀廣太郎氏の画像がトップヒットに出てきた。

だれだ、おっさんというワードを名俳優にタグ付けした狼藉者は。

 

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