共通テストが終わり、
大学入試は、私立入試や国公立大学の2次試験に、
舞台を移しました。
理系の入試問題で、毎年話題になるものとして、
「ロピタルの定理を、使っていいのか?ダメなのか?」
というのがあります。
大学入試の数学の問題で、ロピタルの定理を使うと簡単に解けるときがありますが、
この定理の証明が、大学数学レベルのため、基本的に高校では教えません。
極限に関する定理のため、
定理を使うには、厳格な条件をクリアーしなければなりません。
参考書の中には、発展内容として掲載しているものがあったり、
受験数学の裏ワザ的なものとして紹介されたりしています。
大学側からは、採点基準などは公表されていないため、
「この定理を使うと確かに簡単に解けるけど、
高校で習っていない定理を使ったら、減点されるのかな?」
という不安が、受験生にはあるようです。
数年前に、京都大学や大阪大学といった難関大学で、出題ミスが相次ぎ、
文科省の方から、出題ミスを防ぐために、模範解答の開示を求める動きがありましたが、
東京大学が、これに対して否定的だったため、結果的に、その話は頓挫しました。
ロピタルの定理など使わず、正攻法でチャレンジする受験生もいれば、
減点されるかもしれないけど、白紙よりはまし、1点でも多くとりたい!
とすがるような気持ちで、ロピタルの定理を使って、解答する受験生もいるかもしれません。
合格したい気持ちは、どの受験生も同じです。
私は、どちらの受験生も、心から応援します。
1点の差によって合否が変わるかも知れないのが大学入試であり、
それによって将来の進む道が大きく変わるかも知れないのが大学入試です。
公平・公正を大原則とする入試においては、
ロピタルの定理に限らず、
何らかのガイドラインが必要なのではないかと思います。
中山校 渡辺