こんにちは、個別指導Wam西取石校です。
これまでのおさらいです。国語学習の大前提は、「語彙量(知識)」です。
そして、その「語彙量」を実際の文章の中で有効に生かせることが「国語力」であると話しました。
さらに、「語彙量」を有効に生かせるは、「演習(経験)」を積み重ねて、文章読解の「神経回路」を完成させる必要があると述べました。
ゴルフを例に挙げます。「ドライバーの飛ばし方」の本を読み、「知識」を得ただけではドライバーが飛ぶようにはなりません。本で得た知識を、繰り返し練習し体得することが必要です。「経験」を積み重ねることで、ドライバーを飛ばす「神経回路」が完成します。
文章の読解力=「国語力」も同じです。多くの文章を読むこと、もしくは問題演習を繰り返すことで、文章読解の回路が頭の中にできあがり、国語の問題が解けるようになるのです。そして、知識と経験を積み重ねることで見えてくるもの、それが《文脈》です。
ここで、問題です。次の文章を読んで、空欄に入るに最も適当な語句を、1~5の中から選んでください。
昨日はおすすめされた店をハシゴしました。まず、『そばたか』でざるそばを食べ、『天鶴楼』での特製ラーメンをいただきました。さらに『リストランテ・北』で[ ]を完食しました。大満足です。
【1.カレーライス 2.スバゲッティ 3.ステーキ 4.ピザ 5.てんぷら】
正解は2です。正解できたでしょうか。
「リストランテ」が「イタリアンレストラン」のことだと分からなくても、少なくとも「和食」や「中華料理」ではないことは分かったと思います。「リストランテ」が「イタリアンレストラン」であると知っていた人は、「イタリアン」だから、2か4かのどちらかであり、4の方がイタリアンらしいと思ったかも知れません。イタリアンなら、「スパゲッティ」ではなく「パスタ」と記すべきだと考えて。しかし、その思考法でいえば、「ピザ」は「ピッツァ」と記されているべきです。
正解の考え方は、ざるそば、ラーメンときたのですから、「麺類」である「スバゲッティ」が「最も適当」ということになります。
「文脈」をとらえるということのイメージが持てたでしょうか。つたない例ではありますが、空欄補充問題の考え方のオーソドックスな例であるといえます。そして、これは、言い方をかえれば、「出題者側の意図を見抜く」ことであり、あらゆる教科の空欄補充問題の考え方に通じるものです。
4回にわたり、「国語学習法」として、当たり前のことを話してきました。しかし、「国語」においては、「神経回路」を完成させるための「演習」という「当たり前」のことがおろそかになりがちであるので、この度、このような文章を書いてみました。
繰り返しになりますが、「国語力」=「語彙量(知識)」+「経験(神経回路)」です。国語問題解法の神経回路を完成するために、「演習」を積み重ねて下さい。
なお、国語において育まなくてはいけない「神経回路」としては、
「小説」―「書かれていないが、隠されている心情を読み取る能力」であり、
「評論」―「2項対立の構造を把握する能力と『論』と『例』を見分ける能力」です。
この二つにつきましては、実際に教室をお訪ね下さった際に詳しくお話しいたします。是非、Wamの門を叩いてください。