中学3年生の国語の教科書に、魯迅の「故郷」が収録されています。
30年以上も前の話ですが、私も中学3年生のときに授業で読みました。
今の教科書の挿絵は、なんと私が中学生のときと同じです。
その挿絵を見ると、中学校の頃が、懐かしく思い出されます。
この小説の後半に、こんなシーンがあります。
幼いころは無邪気に遊んでいた少年2人。
その2人が、大人になって再会します。
しかし、身分の違う2人の間には、
目に見えない厚い壁が立ちはだかっていて、
知事になった主人公に向けて、幼馴染の男が言います。
「旦那様!‥‥‥。」
国語の先生は、ここが小説の見せ場なので、力を入れて話をしていたのですが、
中学生の私には、このシーンの意味が、いまいち分からなかったのを覚えています。
その頃の私には、これを理解するだけの経験がなかったのですね。
今読み返してみると、なんの抵抗もなく読めるのは、
それなりに大人の経験をしてきたからでしょう。
生徒からは、
「なんでこんなことを勉強するの?」
「これって将来使うの?」
という質問をよく受けますが、今はよく分からなくても、
大人になってから分かるようになったり、役に立つこともあります。
学校の勉強を、何か難しいものと思わずに、前向きにやってみてください。
ちなみに、「故郷」のラストの辺りで、未だによく分からないところがあるのですが、
これはもっと年齢を重ね、人生経験を積まないと分からないものなのかな、
それは一体いつのことなのだろうか?
いつか分かる日が来るんだろうな!
そう考えると、年を取るのも悪いことではないな、と変に納得しています。
中山校 渡辺