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2020.10.24

【国語】外国語の能力は、母国語の力を超えない

数年前の話ですが、私立の学校説明会に参加したときのことです。

世間では、小学校で英語が必修になるという話が出ていたときでした。

説明会の最後に、質問の場が設けられていました。

そこで、

「小学校では、今度英語が教科として加わるので、

中学受験では、英語を受験教科にする予定がありますか?

また、受験教科にするとしたら、いつごろになりますか?」

といった内容で、質問しました。

 

当時の教頭先生が、即答してくださいました。

質問をしたときの私は、教頭先生が、言葉を濁しながらも、

「いずれ英語を受験科目にする可能性はあります。

けど、今の段階では、検討中なので、詳しいことはお知らせできません。」

といった含みを持たせた回答になるのかなと、漠然と待ち構えておりましたが、

予想していたのとは、全く違う答えが返ってきました。

 

「現時点で、英語を受験科目にすることは、全く考えておりません。

その理由は、受験科目にした場合、当然、受験生は英語の勉強をすることになります。

しかし、それは、本校の望むものではありません。

小学校の段階では、英語よりも、まずは全ての学習の基礎である、国語をしっかり勉強してほしい。

英語は受験教科にせず、国語を受験教科にしていくので、国語をきちんとやってほしい。

勉強の土台となる国語の力がしっかりしている生徒に、本校に来てほしい。」

 

予期しなかった回答だったので、いまだに印象に残っています。

勘違いしてほしくないのですが、

早期の英語学習を否定するものではありません。

 

英語を学習する場合であっても、既に母国語として日本語が身に着いている以上、

どうしても日本語で考えなければいけません。

外国語である英語能力が、母国語である日本語の力を、超えることはありません。

しかし、日本語の力が伸びていけば、英語の伸びしろが、増えていく可能性はあります。

 

英語のみならず、他の教科にも大きな影響を与えるのが、国語です。

小さいうちは、活字に触れる時間を、

少しでも多く持てるようにしていきたいものです。

 

国語の力は、国語の問題集を解くことだけではなく、

本を読んだり、文を書いたり、

また、大人と話をしたり、人の話を聞いたり、

そこから様々なことを考えたりすることで、

少しずつ、ついていきます。

 

中山校  渡辺

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