普段から生徒たちと接するにあたって、言葉による教育に勤しむことが多いですが、言葉によらない教育というのも成立すると考えています。
生徒たちは日々、家庭・学校・塾などの環境の中で生活し、その成長過程において人格を形成していきます。そして、そこで形成されてきた価値観を携えて今後の人生を過ごしていくことになります。そうであれば、子どもの成長過程に関わる人たちは、礼儀・誠実さ・他者への配慮・ルールを守ることなど、たくさんのことを伝えていかなければなりません。いつまでも生温い価値観の中で生きていけるわけではないので、時には厳しく指導していく必要もあります。
近頃はやたらとお手軽さや楽しさを演出する風潮にありますが、周囲の大人たちがそういったものに流されていては、その大人たちに関わる生徒たちも自然とそればかりを求める大人になってしまいます。というのも、成長過程でどういう人と出会うかによって、その後の考え方・価値観も大きく変わってくると思うからです。周囲の大人たちが「楽しければいい」という安直な考え方をしていると、きっと後が辛いでしょう。
遺伝子の突然変異を経なくても元来人間には想像力が備わっているので、それを十分に働かせて「この言動で何を教えていることになるのか」ということにまで考えを及ぼしながら子供たちと接することが重要だと思います。