こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。
昨日の新聞に,茨木のり子の「6月」という詩のことが書かれていました。
どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終わりには一杯の黒ビール
鍬を立てかけ 籠をおき
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮れは
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人の力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
コロナ禍の今,改めて読むと,共感せずにはいられません。
「アフターコロナ」とか「ウィズコロナ」とか,あるいは「新しい生活様式」などと言われていますが,人としての原点に立ち返り,地に足のついた暮らしを営むべきなのではないかと,私は思っています。
茨木のり子の詩の中では,「依りかからず」という詩が,私は好きです。
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ