こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。
次の言葉を読んで,どのように感じますか。
「頭の回転は速いのだけれどもケアレスミスが多い」
ケアレスミスを減らした方がよい,という意味にとる人が多いのではないでしょうか。
これに対して,こういう言い方をするとどうでしょう。
「ケアレスミスは多いのだけれども頭の回転が速い」
頭の回転が速いことをほめている,というように感じられますよね。
日本語の場合,言いたいこと(述語)が文末に置かれます。
だから,「だけれども」の前後を入れ替えると,正反対の意味合いになってしまうのです。
さて,このような「頭の回転が速い」「ケアレスミスが多い」という特徴を持つ生徒に対して,どのような指導をするものでしょうか。
多くの人は,ケアレスミスを減らす指導をすると考えられます。
頭の回転が速いのだから,ケアレスミスを減らせばもっとよくなる。そう考えるのです。
ところが,必ずしもそううまくはいきません。
頭の回転が速い生徒は,思考に飛躍が見られます。作業の手順も省略しがちです。だから時おりミスもします。
そのミスをなくそうと,きちんと手順を踏んで進めようとします。すると,思考のペースが乱れて,かえって混乱することもあります。
良かれと思って行った指導が裏目に出ることは往々にしてあるのです。
むろん,ミスは少ないに越したことはありません。無駄なミスを減らす工夫も必要でしょう。
ですが,頭の回転が速いのであれば,その利点を最大限に生かしてもらう方が,効果的なのではないでしょうか。
回転の速さを磨くことで,より高い水準にまで達することができます。多少のミスには目をつぶっても長所を伸ばした方が得策だと思うのです。
人を見るとき,どうしても長所よりも短所の方が目に付くものです。
指導する立場にあれば,それを直そうとしてしまいがちです。
そんな時には,「だけれども」の前後を入れ替えてみましょう。
そうすることで,見え方が変わり,指導の仕方も変わってくるかもしれません。