こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。
今日,高校生に倫理の授業をしました。
ギリシャの思想について,前回はプラトンまでの概説をしたので,今日はアリストテレス以降の思想です。
ヘレニズム時代の思想家として,エピクロスという人物が出てきます。
エピクロスの思想は,一般に「快楽主義」と呼ばれます。
ただし,ここで言う「快楽」とは,現代の我々が想像するそれとは全く異なるものです。
「自分は,水と一切れの何もつけていないパンさえあれば満足だ。」
この言葉からわかるように,エピクロスは,富や虚栄を求めるのをやめて自らに満足すること(自足)を幸福への道であると考えます。
魂が平安であることこそが「快楽」だと言うのです。
そして,エピクロスはこう言います。
「隠れて生きよ。」
コロナウィルスのパンデミックは,人々の価値観を変えるのではないか。そんなことも言われています。
自粛生活,巣ごもり生活の中から,新たに生まれてくるもの。
それはもしかしたらエピクロスの思想に近いものなのかもしれません。
授業をしながら,そんなことを考えていました。