こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。
今日は4月23日ですが,旧暦では四月一日。
つまり,暦の上では今日からが夏ということになります。
四月の異称は「卯月」と言いますね。
標題に掲げた「夏は来ぬ」は,歌の題名です。
もちろん夏は「こぬ」ではありません。夏は「きぬ」です。
「来」(く)は,カ行変格活用の動詞で,「こ」は未然形,「き」は連用形です。
「ぬ」は助動詞ですが,未然形と接続する「ぬ」は「ず」の連体形で,打ち消しを意味します。
連用形と接続する「ぬ」は完了を意味する助動詞の終止形です。
したがって,「こぬ」と読めば「来ない」という意味になりますが,「きぬ」と読めば「来た」という意味になります。
つまり,この歌は夏の訪れを描いた作品なのです。
卯の花の 匂う垣根に
時鳥 早も来鳴きて
忍音もらす 夏は来ぬ
卯の花が美しく咲いている生け垣に,ホトトギスが早くも来て鳴いている。
今年初めてホトトギスの声を聴いた。
夏が来たのだ。
夏の訪れに胸を躍らせている様子が浮かぶ歌詞ですね。
こういう歌を学校の音楽の時間に学んだら,古文の知識も身につくし,日本の伝統的な季節感も味わえると思うのですが。