こんにちは。Wam西浜校です。朝晩は最早めっきり、日中も少しずつですが、暑さが和らいで来たようですね。個人的には、そのおかげか、食
事が一際美味しく感じます…特に運動の後!さて、今回も、国語のお話なのですが、近日、長野県の中学校にて、物語文読解後のディベートを交
えた授業が行われたとのニュースを拝見しました。担当の先生は「文章に慣れ親しんで欲しい」意図からとの事ですが・・・。その人の背景、
見えない部分(心情や動機もあるとは思いますが)を限られた言葉だけで、的中させると言うのは本当に「難しい」と思った次第です。内容
は、お互い裕福な家庭に育ち、恐らく相思相愛である2人が心中してしまう、と言う結末なのですが、1ページ程の文章を読んだ後で、「この2名
が心中した理由を答えなさい」と言う問いが有りました。「周囲が僕らの結婚を政略結婚だと言っていることは知っているし、両家のためにも
これが一番良い形なのだろう」この男性が愛する女性に欠けた言葉が、心中理由の導出を難解にします。半ば、ネタバレになってしまうのです
が、この「二人の結婚」が政略結婚と世の中に認知されてしまっているから、元来相思相愛であることを証明する為に心中をした・・・のでは
なく、模範解答は、お互いが「それぞれ違う別々の相手」と政略結婚させられてしまう事に対する抗議として心中した、との事です。第一段落
に「二人は翌週末に結婚式を控えていた」とフレーズが有るのですが・・・この結婚式はお互いそれぞれ違う相手との結婚式だったという事な
んですね。また、男が発した「両家の為にもこれが一番いい形」と言うのも、政略結婚させたいお互いの両親の思惑として「一番いい形」なの
か?お互いの両親に対しての抗議、もっと言えば報復の方法として、心中する事が「一番いい形」なのか?私見ではあるのですが、このフレー
ズが2通りの「形」に受け取れて少しゾッとするんですね。物語文一つの中で、「考える」面白さは有るかも知れませんが、言葉が足らないと、
相手が本心で何を考えているのかは「考えて」も100%確信を持てないから、そういう意味ではディベート形式で、みんなで考えると言う形式の
授業は、とても良い事だと思います。以前話題に上げた「高瀬舟」についてではないですが、色々な人達から、沢山の「物の見方」「感受性」
を授けて貰えますから。徹底的に話し合ってみる事で、単に何が「正しくて」「間違っている」ではなく、可能性として、どう見て、感じ、考
える事が出来るか、色々な可能性を皆で協力して引き出してみる事が、大事なのだと思います。因みに、模範解答はディベート後に提示された
そうです。先だと、意味がないですから。そろそろ、気温が下がり、風邪にご用心だと思いますので、体調にはくれぐれも気を付けて下さい。