教室ブログ

2019.07.19

宿院にて

こんにちは。Wam西浜校です。梅雨明けが月末の予想で、ここ数日は最後の力を振り絞る様な強い雨が降り続いています

 

ね。カラッとした夏空が仰げるまで、あと少しです。さて、先日堺市内を散策する機会が有りました。南海の堺駅で下車し、

 

道中、阪堺電鉄の「宿院」と言う駅が有りました。車道の片側4車線ずつ、恐らく計8車線であろう、そのど真ん中に宿院駅

 

が有ります。公道での路面電車を直で見たのは初めてだったので、正にカルチャーショックでした。

 

その宿院駅を挟む交差点を北に進むと、歌人・与謝野晶子さんの生家跡が有ります。ちょっと興味があった為、立ち寄りまし

 

た。「海恋ひし 潮の遠鳴りかぞへつつ 少女(おとめ)となりし 父母の家」の歌碑が、写真・説明文と共に建てられてい

 

ました。路面電車しかり、与謝野さんの歌碑しかり、あちこち歩いてみると色々な発見が有りますね。蒸し暑さが堪りません

 

でしたが・・・(汗)先述の歌の大意ですが「海が恋しい。遠くから聞こえる波の音を数えて育った少女の頃や、(自身が)

 

生まれ育った家(父母の家)が思いだされ恋しくなる」の様です。短歌の形式は五・七・五・七・七の基本三十一音しかない

 

ですから、決められた音数・文字数でどれだけの「意味」を込められるか?で作品の質が大きく変わってくると思います。す

 

ぐ分かってしまう様なシンプルな言葉を使わずに、また極端ですが、あれもこれもと言葉を並べ立てるのではなく、例えば説

 

明に100文字必要な所を、たった一言で2つ3つの事を連想して貰える形に工夫する等(洒落や掛詞でしょうか)、その歌を目

 

にする相手に、歌の聞き手が読み手の生涯を紐解いてみたくなる位、どれだけ想像力を働かせて貰える様に作品を作るかが、

 

歌人としての腕の見せ所だったのではないかと思います。この歌の各評には与謝野さんの少女時代が垣間見られる様です。短

 

い言葉数で思いの丈を伝えると言うのは、中々難しい事だと思いますので、こじつけの様ですが、短歌や俳句に触れてみて、

 

作品の中身を想像し、吟味する事も当然大事だと思うのですが、普段の会話の中でも、相手に伝わる言葉遣いや表現には、日

 

頃気を付けなければいけないであろう、と振り返った散策でした。それにしても、「宿院駅」の交差点の景色は「壮観」でし

 

た(笑)夏休みが始まりますから、しっかり計画を立てて「遊ぶ」「休む」「学ぶ」のバランスを取り、体調に気を付けて下

 

さい。

 

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