教室ブログ

2019.07.09

キャラメルボックス

「キャラメルボックス」という劇団をご存知でしょうか?

 

1980年代に小劇団ブームというのがあって、野田秀樹「夢の遊民者」や鴻上尚史「第三舞台」が人気をはくしチケットが全く取れないくらい観客が集まった現象がありました。

そのブームが沈下した1990年代、三谷幸喜「東京サンシャインボーイズ」、中島かずき「劇団☆新感線」、そして成井豊「キャラメルボックス」という小さな劇場だけを主戦場としない大きな劇場や商業演劇に打って出る劇団が現れました。

「キャラメルボックス」は成井豊が座付き作家、演出を行い、明るいファンタジー色の濃い作風の作品を上演していました。その作風もあってか徐々に10代~20代の女性の観客が多く劇場に来るようになったのです。過去に上川隆也が所属していた事は有名です。

生徒よりも保護者の方々の方が記憶にあって、良く観に行っていた、という方も多くいるかもしれません。私も3年間くらいは全ての公演を観に行っていたくらい好きな劇団でした。

その劇団が5月31日で活動を休止するというニュースが飛び込んできました。それだけでも青天の霹靂だったのですが、6月3日には劇団の母体である株式会社ネピュラプロジェクトが破産申請をしたとニュースも入って来ました。

丁度私が通っていた当時は、1985年の劇団旗揚げから10年位経った頃で勢いのあった時期と重なっていたためか、チケットが取りずらい超人気劇団だったのです。ネット予約がない時代で、アンケートに答えた人に送られてくる優先予約のハガキに記載されている日時にかかりにくい電話をかけまくってやっとチケットを取る、といった事を繰り返していました。そんな劇団の観客動員数が激減していたとは。。。今も月に何度か芝居を観に行っていますが、その時に配布される多くのチラシの中にキャラメルボックスのものもあり、その度に懐かしく思ったりもしていたので、本当にショックでした。

最後に観たキャラメルボックス作品は2005年クリスマスツアーの「クロノス」でした。

 

【もしも一人になったなら、空を見上げてみることだ。広くてすてきな宇宙じゃないか】

キャラメルボックスのある作品の中のセリフです。

好きなセリフで、創作物を書く時に何度か使わせてもらいました。

サンシャイン劇場が東京でのメインの会場で、春、夏、クリスマスに毎年公演を打ち、舞台はパステルカラーが映え、ファンタジーの世界に観客を連れて行ってくれ、役者達は舞台の上で本当に楽しそうに演じ、笑えて、泣けて、とにかくいい劇団でした。

その劇団がなくなってしまった、というニュースは確実に一つの何かが終わってしまったんだなぁ、と思わずにはいられない出来事で、胸が締め付けられる切なさを感じています。

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