こんにちは、Wam六十谷校の川口です。
今日は2019年05月23日です。20190523は3を1桁目として、どの桁までで切っても素数になる素敵な数字です。
火成岩の構成鉱物の有色、無色はどのようにして決まるのか、順番などはっきりした理由が分からなかったので調べていました。火山岩でも深成岩でも含まれる無色鉱物は斜長石(Ca多)、斜長石(Na多)、石英、カリ長石、有色鉱物は酸化鉄、酸化マグネシウムを多く含む橄欖石、輝石、角閃石、黒雲母に大別されます。しかし晶出順は概念的であり、カルクアルカリ系列のマグマの結晶分化作用では鉄と珪酸分が多い環境下では、四面体の重合度が増すことで多鎖イノ珪酸塩、フィロ珪酸塩と重合度が大きくなり、橄欖石と石英が同時に晶出したり、水やカリウムの含有量によっても変わり、法則性はあまりないようです。プレート境界ではスラブ(海洋プレートと海底堆積物)がマントルへ水を持ち込み、プレートの上に位置するウエッジマントルと呼ばれる領域を移動してマグマの融点降下を引き起こします。海溝からの距離でスラブからの水量が変化し、領域の温度構造も変化するため、アルカリ元素量には系統的な変化が見られますが、マグマの上昇中に地殻の成分を取り込んだり、様々な結晶分化を行うため火山岩や鉱物の種類を特定する要因は確定的ではないようです。宇宙より未知の部分が多いかもしれない地中には魅力があると思います。ヴェルヌの「地底旅行」でも当時の発展途上の地質学のレベルに合わせた設定で地殻を構成する火成岩や鉱物からマグマと水の状態を推測していました。
二酸化珪素を集めている人が多いようで、フッ化水素などで溶解したエッジド(蝕像)クオーツ、全体がツイストしているグウィンデル、高山の晶銅で採集できるアルパインクオーツなどケイ素の美しさは炭素に匹敵します。教科書などではSiO2を示す図として結合角が180°の立方晶系、八面体のクリストバライトが使われることが多いのですが、それは一般的な石英のほんの一部です。SiO2 の結晶構造には、低温型石英、高温型石英,低温型トリディマイト、高温型トリディマイト、低温型クリストバライト、高温型クリストバライト、コーサイト、スティショバイトなど8 形態があります。低温型石英の結合角は 146.5°で三方晶系、六角柱状なのでクリストバライトと少し異なります。石英の結晶構造の特徴は,らせん構造をもつことで、Si 原子は 3 個分でちょうど 1 回りするようにらせんを描いて結合しています。らせんが左回りのものを右水晶、右回りのものを左水晶といい、互いに光学異性体の関係にあり,それぞれ別々に産出します。天然に産出する石英は,すべて高温型石英ではなく低温型石英と考えてよく、このうち結晶がよく成長したものをとくに水晶とよんでいます。紫水晶などは水晶中の Fe3+が微量に含まれるウラン、トリウムなどの放射性元素から放出される γ 線によって励起されることで着色されているようです。鉱物図鑑などは地学資料集の一部と似たところはありますが、時々見ると人の表情のように劈開の豊かさに驚かされます。