ノートルダム大聖堂が、炎に包まれていました。
歴史的建造物が災難に遭ったという事で初めはテロか、と考えてしまいましたが、どうやら原因は修復工事中の火の不始末だったようです。それにしても世界一観光客が訪れるパリの、行ったら必ず観光をする場所であるノートルダム大聖堂が焼けていく様子は、キリスト教信者でもなく、パリ市民でもない自分でも痛々しく感じる出来事でした。
過去に何度かパリを訪れた事があります。日本から直行便の飛行機で12時間かかるのでかなり遠い場所なのですが、パリは教科書で見た絵画や建造物に数多く出会う事が出来る場所です。実物を目の当たりにすると、思ったより大きいだとか小さいだとか、広い狭い、綺麗だ汚れていた等、教科書では分からなかった事が分かります。
例えば、ノートルダム大聖堂で有名なバラ窓と呼ばれるステンドグラスを初めて見た時の事を思い出します。薄暗い室内に外の光を通して、バラのステンドグラスが浮かび上がっていた空間は、神秘的で、幻想的で、荘厳。大勢の観光客が入っていたにも関わらず室内を覆っていた静謐。
本物を見るという事は大切です。写真やテレビ、教科書で知識を入れるだけではなく、機会を作って積極的に本物に会う経験をするようにしましょう。以前ウィーンでトラムを待っていたら白髪の老人に「世界的に有名な絵画を一番見られる国は日本だよ」と言われました。何も外国に行かなくても日本にはありがたいことに、年中絵画などの美術品がやって来ます。
本物は、絵画だけではなく、建物だったり、街並みだったり、人だったり、音楽だったり、演劇だったり、何でもいいのです。とにかく本物を実感する経験が大事です。その体験はきっと財産になって行くと思います。
混雑はするでしょうが、GWの10連休、本物に会いに行く為の1日を作ってみてもいいのではないでしょうか。