こんにちは 出口校 西川です。
毎年この時期になると書くお話があるのですが、今日はその「毎年の話」を書こうと思います。
結論から言えば、「中3の受験生は受験が終わっても塾を辞めてはいけないと」という事です。
もちろん、即座に
「学習塾のセールストークだ」
とか
「いやいや、受験直前期にどれだけお金がかかったと思ってるんだ」
などの、ご批判があろうかと思います。
しかし。だからといって。
進む先に「明確なリスク」があるのに、その話をしないというのは誠実ではないと思います。
今日はそのリスクについてお話をします。そのお話を知ったあとで、塾を辞めるという選択肢はあると思います。
知らずに辞めるのは危険だと思います。
「リスクあり」と分かっている方向に無防備で全力疾走して突っ込むような感じですから。
リスクってなんだ?
さんざん話を引き伸ばしてきましたので、その「リスク」ってなんなんだ。というお話になろうかと思います。
これはもうお気づきの方も多いかもしれませんが、
「集団で落ちこぼれてしまうリスク、勉強が分からなくなるリスク」です。
さて、
公立中学と高校の違いは何でしょうか。そこに危険が隠れています。逆に言えば希望でもあります。
公立中学と高校で圧倒的に違うことは、「生徒の学力分布」です。
当然ですが、公立中学というのは非常に「学力分布」が広いです。入学試験などせずに、地域の子が誰でも入学できるので、自然と分布は広くなります。
良い、悪いではなく。単純に分布が広い、という話です。
仮にお子さんの学力が学年の真ん中くらいだとします。
学年のトップクラスの子は、もしかするとお子さんから見ると「宇宙人」のように見えてしまうかもしれません。
「あいつは、一体何をやってあんなに凄い点数が取れるんだ?」というような感じです。
逆に下を見ると「勉強なんて全くやる気ないし、あいつには何があっても負けるわけないよ」なんてお子さんは言うかもしれません。
これが高校になるとどうでしょうか。
上も下も、「自分とそれほど変わらない」ような学力の子が集まります。
もし高校入学と当時に少し勉強を頑張って更に学力を上げるとどうなるでしょう。
もちろん、学校のトップクラスもすぐに射程に入ります。
逆に高校入学で少しサボるとどうなるでしょう。あっという間に学校の下位層になります。
(私自身も入学と当時に遊びまくって、1年の夏には学校の勉強が全く分からなくなった経験がるので、かなり自信を持って言えます)
入学時にしっかり勉強をして、学校内でどのポジションが自分の位置になるかという事は先の3年間を見通すとかなり重要な事なのではないでしょうか。
高校英語は最初が肝心
高校英語って不思議だなと思ったことがあります。
なぜなら「新しく学習する文法」が非常に少ないからです。
中学の英語は、be動詞、一般動詞、進行形、受け身、命令形、現在完了、間接疑問文etc…
「新しい文法」が目白押しです。
では高校英語はどうでしょうか。
3年間を通じても、はじめて習う文法というのは仮定法と関係副詞、独立分詞構文くらいではないでしょうか。
じゃあ、高校英語は「ラクショー」なのかというと、そんな事ないですよね。
実は見えないところで、中学の英語とは全く違うものになっているんです。
中学英語までは、「語彙と文法」が英語の全てでした。だから必死に単語を覚えて、文法を理解してきました。
高校英語は違います。「語彙と文法」の他に「構造」という概念が加わります。
文法が増えないなんて、大した問題ではないんです。それより上位の概念が1つ増えるんですからそちらの方が問題です。
その「構造」に最も重要な役割を果たす単元はなにか?
それが、「文型」です。高校に入って最初に習う英文法です。
この文型をいい加減に理解したまま進むと、もう取り返しがつかないくらいに非効率な英語勉強法が待ち構えています。
しかしながらこの「文型」。
実はあまり高校で力を入れて学習しているという話を聞きません。もちろん、その重要性を力説してくれる先生もたくさんおられると思います。
ただ、私の周りの高校生の話を聞くと、「授業でサラッとやる程度」という答えが多いです。
高校英語の最初になぜ「文型」があるのか。
それは、「最初にしっかり文型を理解して、今後の3年間の英語学習では常にどの文型なのかを考えながら学習するんだよ」というメッセージが込められていると私は理解しています。
だからこそ、ここを理解することは3年間の英語学習の効率を決定する程に重要なんです。。。という話を高校で聞けるのであれば、塾でなくても良いです。そうやってくれているのであれば、です。
数学嫌いは高1で
よく保護者の方と大学のお話などをすると、共通して聞かれる意見があります。
「大学を文系学部にしてもいいけど、”数学できないから文系”というネガティブな選択はしてほしくない」
というお話です。
これ、実際には多いですよね。本当に。
ではなぜそうなるのかと言うと、多くの場合で1年生の数1Aが分からなくなるという事態が発生します。
分からなくなる理由は明確で簡単な理由です。
「演習時間がとれていない」という理由です。
高校での数学の授業は、やる事が中学での数学に比べて圧倒的に多くなります。単純に考えれば教科数から推定して2倍です。
この2倍の量をこなすために、学校では説明が主体となり演習の時間はほとんどとれません。
生徒自身が自宅でしっかり演習しないといけません。そして、ここが不十分になるのです。特に部活や友達関係が新しくなる1年生の前半におろそかになります。
演習不足のまま次々と新たな概念を学習するわけですから、分からなくなる事は当然です。
裏を返せば、しっかりと演習をしたうえで授業を受けていけば、高校数学は怖くないのです。
実際に高校で塾を続けている生徒の中には「数学ってあまり好きじゃないけど、点数だけは数学が一番とれるんだよね」とこぼす子もいます。
つまり、それだけ周りの子は数学ができないという事なんです。
1年の数学が分からなければ、2年の数学がわかるようにならないのが、この科目のつらいところです。
高校数学の対策として、「わかる」と「できる」の双方を担保しなければならないのですが、それを「学校の授業」だけで担保することができないという事は納得頂けるのではないかと思います。
最初に「分からなくなる」ことのリスクは非常にやっかいです。
あとでいくら頑張っても挽回ができないからです。
「また困ったらお願いしますね」なんて言われることがありますが、「困った」時にはもう遅い。というのが高校の勉強です。
そういったリスクを知ったうえでご判断頂きたいと毎年のように思っています。
いつも最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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