教室ブログ

2019.02.27

はやぶさ 着陸

個別指導Wam野口校の小藤です。

JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)は先週22日に探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュグウ」に着陸したと発表しました。「はやぶさ2」は2010年に小惑星「イトカワ」から帰還した小惑星探査機、初代「はやぶさ」の後続機として「リュウグウ」の地表から表面物質を採取し、地球に帰還するというミッションの下、2014年12月に種子島宇宙センターからロケットで打ち上げられました。今回は小惑星探索と「はやぶさ」について考えてみましょう。

最初に小惑星が発見されたのは1801年1月1日、発見者はイタリアの天文学者ジュゼッペ・ピアッツィでした。ピアッツィは自身がシチリア島に建設したパレルモ天文台で天体観測を行い、恒星と違う動きをする星を発見、その後の観測で太陽系の天体であると確認されました。この時発見された小惑星はローマ神話の豊穣の女神ケレースから名前を取って「ケレス」と名付けられ、小惑星確定番号1番が付けられました。ケレスは一時行方が分からなくなっていたものの、ガウスの最小二乗法からつくられた軌道計算法によってオルバースらに再び発見されました。ケレスが最初に発見されてから、パラス、ジュノー、ベスタと次々に小惑星が発見されていき、2009年1月までに40万個以上もの小惑星が見つかっています。

ハレー彗星は76年周期で地球に接近し、前回は1986年に接近しました。この時大規模なハレー彗星の探査が行われ、これが最初の太陽系小天体への探査になります。この時ESA(欧州宇宙機関)の探査機「ジオット」をはじめ、アメリカ、ソ連などから計6機の探査機が打ち上げられ、日本からも初の惑星探査機である「さきがけ」と「すいせい」が打ち上げられました。「ジオット」はハレー彗星の核から605kmの距離まで接近、彗星核の撮影に成功しました。

初代「はやぶさ」は2003年に打ち上げられてから2年かけてイトカワに到着し、地球に帰還しました。世界で初めて小惑星のサンプルリターンミッションを成功させました。サンプルリターンはその惑星の表面の物質を採取して地球に帰還する惑星探査の方法で、この方法はサンプルの分析や観測に、機器のサイズや重量が制限されず、最新のものを使うことができます。「はやぶさ」のサンプルリターンは小惑星にランデブー(観測する天体の周囲を回ったりすること)した後、金属の弾丸をイトカワに打ちこみます。この衝撃で舞い上がった物質を採取し、このサンプルを封入して地球に持ち帰ります。密封して持ち帰ることで、その天体にあったままの状態を保存することができるのです。さらに、開封作業は真空空間で行うなど、サンプルが地球の環境に影響されて変化してしまわないようにされています。「はやぶさ2」も同じくこの方法が採用されています。

「はやぶさ」計画は「はやぶさ」が往復できる小惑星のうち、打ち上げのタイミングからイトカワが選ばれました。つまり、技術・工学的な面を重視して選ばれているのです。対して、「はやぶさ2」は「はやぶさ」のミッションを通して得た知識や技術を用い、科学的な目的を主として計画されています。小惑星は地上からの反射スペクトル観察に基づきC型、S型、X型、D型などに分類されており、イトカワはS型、リュウグウはC型小惑星になります。C型小惑星は地球近傍小惑星の中でも初期にできたものであり、惑星の表面物質に水や有機物がある可能性が高と考えられています。なので、C型惑星の表面物質を採取したサンプルを詳しく分析すれば、原始太陽系の有機物や太陽系の歴史について新たな発見があるかもしれません。

「はやぶさ2」は3~4月頃に小型の衝突装置をリュウグウの表面で爆発させ、深さ1メートルほどの人工的なクレーターをつくります。このクレーターに着陸し、今度は露出した地下物質を採取します。JAXAは表面と地下物質の採取に関して、2回は行いたいとしています。「はやぶさ2」はサンプルを採取した後、2020年に地球への期間を予定しています。

 

 

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