こんにちは。個別指導Wam 小宮町校です。
「下剋上」という言葉。社会科の歴史的分野で用いられる言葉ですね。
八王子市立の中学校で採択されている教科書「中学社会 歴史 未来をひらく」(教育出版)では,「下位の者が上位の者に実力で打ち勝ち,地位をうばう風潮」と説明されています。
時は室町時代。1467年に始まった応仁の乱で都は焼け野原となり,幕府の力が衰える一方で,地方の武士や民衆が力を伸ばしていきます。山城の国一揆では,武士や村人たちが団結して守護大名を追い出し,加賀の一向一揆では,浄土真宗(一向宗)の信者たちが守護大名らを倒しました。
そして16世紀になると,守護大名やその家臣などの中から実力で頭角を現した戦国大名が,領国を支配するようになります。
「下剋上」はそんな中世末期の混沌とした状況を象徴するような言葉です。
この「下剋上」という歴史用語が,現在でも使われることがあります。
プロ野球の「クライマックスシリーズ」,いわゆるCSが,今まさに開催されています。
セントラル・リーグは,レギュラーシーズン1位の広島東洋カープが順当に勝ち上がり,日本シリーズへの進出を決めました。
ところがパシフィック・リーグは,大変なことになっています。
レギュラーシーズン1位の埼玉西武ライオンズが2位の福岡ソフトバンクホークスに今日も敗れてしまいました。ホークスはあと1勝で日本シリーズの出場権を獲得します。
思い出すのは2010年。パ・リーグ3位の千葉ロッテマリーンズがCSを突破し,そのまま日本シリーズも制した時のことです。シーズン3位からの日本一という快挙は,当時「史上最大の下剋上」と呼ばれました。
「勝ち組」「負け組」という言い方があります。事が上手く運んで成功を収めている人が「勝ち組」,そうでない人が「負け組」と呼ばれます。
でも,「勝ち組」も「負け組」も今現在を切り取ってそう呼ばれているに過ぎません。
風向きが一変して「負け組」が「勝ち組」にとって代わる,なんてことだってあり得るのです。
今まで上手くいっていなかった者たちは,誰もが思っていることでしょう。
「今に見てろよ。下剋上を起こしてやる」と。