こんにちは。個別指導Wam 小宮町校です。
先日,ラジオ番組で秋の童謡や唱歌が特集されていました。
リスナーからのリクエストをもとに選ばれた8曲は……。
「虫の声」
「赤とんぼ」
「小さい秋みつけた」
「里の秋」
「もみじ」
「月の沙漠」
「夕焼小焼」
「七つの子」
いずれも郷愁を誘う唄ですね。でも,ふと思いました。
「夕焼小焼」や「七つの子」って秋の唄なのかなぁ……?
どちらも季節が秋だと示す言葉は使われていません。でも,何となく秋らしさが感じられます。
それはきっと,どちらも夕暮れ時が描かれているからなのではないでしょうか。
「秋は夕暮れ」と清少納言は「枕草子」で述べていますね。また,結句に「秋の夕暮れ」と詠んだ「新古今和歌集」の3つの名歌は「三夕の歌」と呼ばれています。
「寂しさはその色としもなかりけり 槙立つ山の秋の夕暮れ」 (寂蓮)
「心なき身にも哀れは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ」 (西行)
「見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ」 (藤原定家)
夏から冬へと向かう途上の秋は,昼と夜との境目の頃合いと様子が重なります。
何故とも言えぬせつなさが殊更に感じられる夕暮れ時は,秋をイメージさせるのでしょう。
「夕焼小焼」は,八王子市の恩方の情景を中村雨虹が詞に表したと言われています。
秋のたそがれ時にしみじみと聴きたいものですね。