こんにちは。個別指導Wam 小宮町校です。
「1本60円の鉛筆と,1本150円のシャープペンシルを,合わせて10本買ったところ,代金は960円でした。それぞれ何本買いましたか。」
この問題,どう解きますか?
【その1】
仮に鉛筆だけを10本買ったとしたら
60×10=600(円)
実際の代金との差は
960-600=360(円)
シャープペンシルを買った分だけ高くなったわけです。
シャープペンシル1本の価格と鉛筆1本との価格との差は
150-60=90(円)
代金の差を1本当たりの価格の差で割れば,シャープペンシルの本数が求められます。
360÷90=4(本)
合わせて10本買っているので,その差が鉛筆の本数です。
10-4=6(本)
A, 鉛筆 6本,シャープペンシル 4本
【その2】
鉛筆の本数をx,シャープペンシルの本数をyとします。
鉛筆とシャープペンシルの本数は合わせて10本なので
x+y=10……①
鉛筆x本とシャープペンシルy本の代金が960円なので
60x+150y=960……②
①と②を連立方程式として,これを解くと
x=6,y=4
A,鉛筆 6本,シャープペンシル 4本
【その1】の解き方は「つるかめ算」と呼ばれます。中学受験の算数では,ごく基本的な解法です。
【その2】の解き方で用いる連立方程式は,中学2年生の数学で学習します。
方程式は,問題文の内容に合わせてとりあえず式を立ててしまえば,あとはそれを解いていくだけで解答に行きつくことができます。至極便利な道具です。
これに比べてつるかめ算は,「鉛筆を10本買ったとしたら」という発想の転換を要します。そして,全体の差を1つ当たりの差で割ると一方の数量が求められる,という点に着目する必要もあります。
もちろん,どちらの解き方がいいとか悪いとかいうことではありません。
中学生になって方程式を学ぶと,手間のかかることをしなくても済むようになる,とは言えます。
その分,発想や論理的思考をあまり問われなくなる,という見方もできます。
ここで,ふと思い当たります。
道具が作られ,機械化が進み,そしてITが発展する。そんな文明の進歩とともに失われていくものもある。
便利なことはよいことばかりではないのかもしれませんね。